2014年11月13日木曜日

【和訳演習】[US5839119] Method of electronic payments that prevents double-spending

1.             A method of generating electronic monetary tokens that supports payments between a buyer and a seller off-line of a financial services provider while preventing double spending, the method comprising:
【請求項1】
 二重使用を防止しながら、金融サービス提供者がオフラインで買い手と売り手との間の支払いをサポートする電子貨幣章標を生成する方法であって、
a) generating a first multiplicity of electronic monetary tokens in response to a request from the buyer for use with the seller;
a) 前記売り手とともに使用するための、前記買い手からの要求に応えて、第1の数の電子貨幣章標を生成することと、
b) splitting each electronic monetary token into two electronic token halves having a same serial number, each pair of electronic tokens halves having the same serial number recreating the electronic monetary token when combined together, each electronic token half having no monetary value;
b)各電子貨幣章標を、同一のシリアル番号を有する、2つの半分ずつの電子貨幣章標に分けて、半分の電子貨幣章標はそれぞれ貨幣価値を有しないが、前記同一のシリアル番号を有する各組の半分の電子貨幣章標は、一緒に組み合わされた際に、前記電子貨幣章標に再生されることと、
c) delivering a subset of the electronic token halves to the seller; and
c)前記半分ずつの電子貨幣章標のうちの一のサブセットを前記売り手に提供することと、
d) delivering another subset of the electronic token halves to the buyer.
d)前記半分ずつの電子貨幣章標のうちの他のサブセットを前記買い手に提供すること
 を含む、電子貨幣章標を生成する方法
2. The method of claim 1 further comprising:
e) storing in a database entry the session serial numbers of the electronic monetary tokens.
【請求項2】
e)データベース項目の中に、前記電子貨幣章標の前記シリアル番号セッションを格納することをさらに含む、請求項1に記載の電子貨幣章標を生成する方法。

(模範解答)
【請求項1】
 二重使用を防止しながら、金融サービス提供者のオフラインでの買い手と売り手との間の支払いをサポートする電子貨幣章標を生成する方法であって、
 a)前記売り手と共に使用するための前記買い手による要求に応じて、第1の複数の電子マネートークンを生成するステップと、
 b)各電子マネートークンを、同じ通し番号を有する2つの電子トークン半片に分割するステップであって、前記同じ通し番号を有する電子トークン半片の各対が、共に組み合わされると前記電子通過トークンを再現するものであり、電子トークン半片それぞれは貨幣価値を有さないようにする分割するステップと、
 c)前記電子トークン半片の一方のサブセットを前記売り手に提供するステップと、
 d)前記電子トークン半片の他方のサブセットを前記買い手に提供するステップと
 を含む、方法。
【請求項2】
 e)前記電子マネートークンのセッション通し番号をデータベース項目に格納するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。

■ポイント
請求項1の構成要件bを「〜分割するステップであって、・・・するようにする分割するステップ」と訳すと上手くいく。



2014年11月11日火曜日

【参考書籍】前置詞と冠詞

英語を学ぶ日本人がもっとも苦手とするのが、「前置詞」と「冠詞」です。特許翻訳者も、これらを使い間違えるだけで、特許権利化後の権利範囲が大きく異なって、場合によっては、使い物にならない権利になってしまいます。そのため、これらを克服することが、特許翻訳者には求められます。以下は、講師の方が紹介してくださった書籍です。

■前置詞

<ネイティブの感覚で前置詞が使える>
持ち歩くには不便なほど、非常に分厚い本です。この本は、様々な例文とイラストで前置詞のイメージを頭の中に植えつけるようにされています。ネイティブの子供は、さまざまな場面に出くわし、その都度、「前置詞」のイメージを固めていくそうです。


■冠詞
冠詞については、講師の方がおすすめした本を紹介しておきます。この本は予備校講師が執筆したもので、ネイティブスピーカーがどのようなイメージを持って冠詞を使用しているかを非常に分かりやすく説明しています。ボリュームはそれほどありませんが、どの章も「目からウロコが落ちる」ような内容で、感嘆しました。オススメです。
・aとtheの底力 -- 冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界

・数量英語の活用文例集 


特許翻訳におけるきわめて単純な形式的注意事項



フリーランスとして、翻訳文をクライアントに納品する際、「形式的ミス」があると、次の依頼が来ないことがあるようです。クライアントは、非常に忙しい、外国出願の弁理士であるので、こうした形式的ミスを彼らに直させるのは、確かに問題です。当たり前のことを確実にできる翻訳者が好まれるようです。




1.英和の場合

Wordの自動字下げは、使用してはいけない。

Tabキーも使用してはいけない。

段落改行のあとは字下げは全角1字。

特殊文字の半角は絶対に使用しないこと(電子出願時エラーとなってしまうため)。

インデントやハンギングインデントは、使用してはいけない。

明朝10.5ポイント、一行40文字、1ページ50行(現行の電子出願の形式)




2.和英の場合

全角文字、全角スペースは使用してはいけない(全角のα、β、℃は使用してはいけない)。

冒頭には、Tabキーを使用して5文字分のスペースを入れること(半角スペースで5文字分入れてはいけない)。

Times New Roman12ポイントで両端揃えで使用すること。

行間は、明細書では1.5、レターでは1とすること。

文章の終わりは、半角2字分空けること。

【参考書籍】日本の特許制度

私は学生時代から弁理士資格取得のための勉強をしていましたが、新卒で勤務した特許事務所での仕事が忙しくなったため、勉強は一旦中断してしまいました。ただ、その後も、実務で必要な知識を得るため、様々な本を読んできました。その中で、最も分かりやすかった「標準 特許法 高林龍 著」が、翻訳学校の講師にも推薦されていました。すでに第4版が出ているみたいですが、講師いわく、「古い版でもかまわないので、目を通しておいた方がよい」とのこと。





それから、「産業財産権標準テキスト 特許編 発明協会」も推薦されていました。
特許の素人でも分かりやすくコンパクトに特許法を解説しているため、オススメだそうです。




翻訳学校オリエンテーション

特許翻訳の学校の第1回目の授業に出席しました。
受講生は、女性2名、男性4名の計6名。
定員が15名であることを考えると、今期は非常に少ないようです。
そのため、講師の方にいろいろ質問できそうなので、良いかもしれません。

1.オリエンテーション
特許翻訳とは何か?についての説明。

正しい翻訳があるわけではないが、間違った翻訳はたくさんある。
大きなミスをしないで、80点をコンスタントにとり続ける、安定した特許翻訳者が求められているようです。

2.特許法について
発明とは、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なもの」をいう。

この「自然法則」という文言を入れたことで、プログラムは発明に入るのかという議論が延々とされたようです。

講師の考えでは、発明を定義しすぎると、将来、創作させうる未知の発明を包含できなくなるので、よくないのではないかとのこと。

発明のカテゴリー:
物の発明、方法の発明、物を生産する方法の発明の3つに分類される。

フリーの特許翻訳者への道

 理系の大学を卒業後、特許業界に入り、大企業のメーカーの知的財産部等を経験してきました。

 より自由な働き方を求めて、フリーランスの特許翻訳者になるべく、特許翻訳の学校に通うことを決意しました。

 特許行政年次報告書2013年版によれば、日本国内の特許出願件数は、2005年の427078件をビークに、年々減少傾向にあり、2012年には、342796件まで落ち込みました。
 しかしながら、市場のグローバル化に伴い、PCT国際出願の件数は、2005年24290件であったのに対し、2012年には42787件と大幅に上昇しています。

 つまり、特許業界自体も、国内市場の衰退とともに、縮小傾向にあり、今後、企業のグローバル化に合わせて、英語力が必須になってきたことが分かります。

 このブログを通じて、一流の特許翻訳者になるための道のりを記述していきたいと思います。

2012年1月26日木曜日

[書評]HAPPIER―幸福も成功も手にするシークレット・メソッド




現代人は、前の世代より明らかに物質的には豊かになっているのに、心理的には貧しくなっているという。
本書は、ハーバード大学で人気No.1の講義をまとめたもので、自分自身の内側に目を向ける機会を提供するとともに、我々がより幸せに生きるのを手助けする。

誰かが「良書とは、読む前と読んだ後で、人生の質が変わる本だ」といったが、
本書はまさしくそんな一冊だ。



■目次
1 幸せとは“究極の通貨”だ(問い中の問い、現在の利益と未来の利益、幸せの正体、究極の通貨、幸せになるための目標設定の仕方)
2 誰もが幸せになれる、仕事、学習、人間関係のあり方(「学ぶ幸せ」を習得する、「働く幸せ」を味わい尽くす方法、第8章 幸せな人間関係を築く秘訣)
3 永遠の至福に向けて(幸せブースター、つかの間の喜びを超えて、光り輝く勇気、自己の利益と思いやり、内なる賢者、ゆっくり生きても充分間に合う、幸せ革命、永遠の幸福へ―これがすべてです)

■4つの幸せのモデル
①快楽型:「現在の利益」と「未来の不利益」が混在すること。(例)ジャンクフード・バーガー
②出世競争型:「現在の不利益」と「未来の利益」が混在すること。(例)ベジタリアンバーガー
③悲観型:「現在の不利益」と「未来の不利益」が混在すること。(例)最悪のバーガー
④至福型:「現在の利益」と「将来の利益」をもたらしてくれること。(例)健康で美味しい理想的なバーガー

本書の中で、上記の幸せのモデルが紹介されている。
これは、退職決断のための「黄金基準」によく似ている。

我々は、当然ながら、上記④の「今も未来も幸せでいられる」選択をすべきだ。
楽しみながら学ぶことは、「現在の利益」を得ると同時に、未来の自分に役立つ「未来の利益」も見込むことができる。
信頼できる仲間と、ともに成長しあえる関係を築くことも、至福型モデルだと言える。

つまり、幸せを「喜びと意義の同時体験」だと定義することができる。

我々は、「自分に備わった能力を最大限に発揮しようと努めながら、挑戦的な活動に従事している」と感じるときに、深い充実感を得るという。

■幸せとは、”究極の通貨”
我々の究極の目的は、幸せの実現であるという。だから、富や名声は、幸せに貢献しうるものだが、本質的な価値を持たない。富や名声は、幸せに換算されて初めて価値を持つという。

しかしながら、我々は、時々、物質的な富が究極の目標の地位に押し上げられていることが起こりうる。ただし、それが悪いことではない。物質的繁栄は、個人だけでなく、社会全体の幸せにも貢献しうるし、経済的安定は、意義と喜びを見いだせない仕事などから、解放してくれる場合がある。
しかし、価値があるのは、お金自体ではなく、それが私たちにもたらせてくれる幸せな体験にある。

■感謝を表明する
「3 永遠の至福に向けて」の章に、「感謝日誌」を毎日つけることで、心理的にも肉体的にも、健康のレベルを大きく上昇させることができうることが記載されている。毎晩、最低5つ感謝すべきことを見つけることで、人生における些細なことでも、感謝の対象として見ることができ、喜べるものになるという。

■幸せの6つの秘訣
①自分に人間として生きる許可を与える
②幸せは、意義と喜びが交差する場所に横たわっている
③幸せは、社会的地位や預金残高などにではなく、心の状態に依存している。
④生活を単純にする
⑤心と体の密接な結びつきを忘れない
⑥可能なかぎり頻繁に感謝を表明する

■感想
学生の時、「人生の目的」に関する講義を受けた事がある。
それは、大学の授業ではなく、大学近くのマンションの一室で、密かに行われた講義だった。
たしか浄土真宗の人たちがやっていたように記憶している。
講義の内容は次のとおりだ。
多くの人は、人生の頂点に目標を定める。例えば、歌手や俳優になりたいとか、医者や弁護士になりたい、のように。
しかし、夢を叶えた後も、人生は続くことを認識しなければならない。
夢を叶えた後、人生の道を踏み外してしまう人が多いことを、何人もの有名人を挙げて説明していた。ドラックに溺れる者、事件やスキャンダルに巻き込まれ、転落人生を送る者。
たとえ人生の頂点に立つことができても、そこに居続けることはできない。
高い頂上に登るほど、急な下り坂を降りなければならないと。
それでは、「人生の目的」はどのように決めればよいのか?

「あと一週間の命だったら、何をするかを考え、そのことに人生を捧げなさい」

この講義に感銘を受け、私自身、この問いを何度も自問し、内なる声に耳を傾けてきた。
そのため、苦難も多かったが、迷いながらも、いろいろな事に挑戦できたように思う。この講義がなかったら、今の自分はなかったと言える。

オウム真理教など新興宗教も記憶に新しかった時代なので、勧誘されはしないか心配したが、そんな素振りは、全くなかった。

本書の中に「もしも私たちが、80歳のときに生まれ、徐々に18歳へと近づけるとしたら、私たちの人生は果てしなく幸せなものになるだろう」という言葉が出てくる。

きっと、その講演は、若い学生が人生に迷わないように生きてほしいという目的で行われたものだったと思う。

本書は、この講義に匹敵するほど、素晴らしい内容だ。
人生の道しるべを示してくれる作品だと思うので、将来に不安を抱えている若い人たちには、ぜひ読んでもらいたい。

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