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2016年9月23日金曜日

JTFほんやく検定

以前の投稿で、『フリーランス翻訳者は、業務の中で客観的なフィードバックを受けることが難しい』と記載しましたが、一つの客観的な指標を得る方法として、JTFほんやく検定があります。
米国人の元エンジニアの方がリーマンショック後、この検定に合格し、来日して翻訳者としてのキャリアをスタートしたそうで、ある程度国際的に通用する検定のようです。

ただし、この試験も、どの分野の何級に合格したかどうかが分かるだけで、翻訳文のどこがどう間違っていたかを知ることはできません。そのため、受験料を払って証明書を得る必要がなければ、公式問題集を購入し、自分で問題を解いて、その解説と見比べて勉強した方がよいと思います。



私は、この問題集を買った当初『特許』のみを解いていましたが、最近、情報処理など他の分野も解いてみたら、とても勉強になりました。翻訳者は、専門性だけでなく、『引き出しの多さ』も必要なので、別の分野を勉強することも有益です。


2016年9月12日月曜日

[おすすめ]日本語文法ハンドブック


 本書がおそらく日本語文法の定番の本だと思います。恥ずかしながら、企業で知財業務をしていたときは、知りませんでした。しかし、プロの翻訳家やライターになるには、必須の書かもしれません。以前書いた『日本人のための日本語文法入門』は、気軽な読み物としておすすめですが、本書は、ボリュウムがあり、文法で分からないことがでてきたときに、その都度確認するための座右の書だと思います。

欲を言えば、例文の英訳が載っていれば、翻訳者にとってさらに有益な書籍になるのですが・・・。

■初級を教える人のための日本語文法ハンドブック

■中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック

2016年7月11日月曜日

[おすすめ書籍] 日本人のための日本語文法入門 原沢 伊都夫 著

翻訳者としてより高いレベルを目指すために、日本語の文法を学ぶことが重要だと思います。これは、和訳において、日本語をより正確に表現するためだけでなく、英訳において、日本語を正確に汲み取るためにも必須だと思います。

そこで、入門書として本書が非常に分かりやすくおすすめです。


  • 日本語に主語は重要か? 「は」と「が」はどこが違う?
「が」は、動作の主体(いわゆる「主語」)を表す。
それに対し、「は」は、以下のように、話者によって文の主題を提示する。

  1. 母親書籍で翻訳原稿を作成した。
  2. 書斎では、母親が翻訳原稿を作成した。(「書斎」について言えば)
  3. 翻訳原稿母親が書斎で作成した。(「翻訳原稿」について言えば)
以上のように、同じ事実示しながら、「は」を用いて、異なる主題を提示していることがわかります。これを、「主題−解説」の構造と呼ばれています。さらに、以下のようにさまざまな格助詞(ガ格、ヲ格、二格、デ格、ト格、へ格、ヨリ格、カラ格、マデ格)を主題化することが可能です。
  1. 日曜日母親が書斎で翻訳原稿を作成した。(二格:日曜日母親母親が書斎で翻訳原稿を作成した。)
  2. 駅へは母親が迎えに行った。(へ格:母親が駅へ迎えに行った)
  3. 母親よりは私のほうが背が高い。(ヨリ格:母親より私のほうが背が高い。)
  4. その蛇口は水が出ない。(カラ格:その蛇口から水がでない)
  5. 駅までは徒歩で5分かかる。(マデ格:駅まで徒歩で5分かかる。)

  • なぜ自動詞が多用されるのか? 受身文に秘められた日本人の世界観とは?

本来、自動詞は、「雨が降る」などの自然現象を表すときによく使われ(自然中心)、一方、他動詞は「私が衣服を洗濯する」など人間の行動が起点となり、物事を引き起こすことを表すときに使われます(人間中心)。
しかし、日本語では、英語と比べても、人間に関連することも自動詞で表現することが多いそうです。例えば、
私は驚いた。 I am surprised.
犯人が捕まった。 A criminal was caught.
富士山が見える。 I see Mt. Fuji.
君の気持ちがわかる。 I understand your feeling.

つまり、日本語では、人間の活動も自然界の流れの一つとしてとらえる傾向があるようです。

自動詞と他動詞の見分け方としては、
 自動詞は、「ヲ格成分を持たない」もの
 他動詞は、「ヲ格成分を持つ」もの
と区別できますが、但し、例外として、「起点」と「通過点」を表すヲ格は除外されます。
 起点をヲ格とする移動動詞としては、「出る」「出発する」「離れる」などが挙げられ、
 通過点をヲ格とする移動動詞としては、「歩く」「渡る」「走る」などが挙げられます。


  • 主節と従属節からなる複文に表れる相対テンス

例文)日本を来るとき、同僚が送別会を開いてくれた

英語の場合、「時制の一致」という考えのもと、以下のように表現されます。

When I came to Japan, my colleagues held my party.

そのため、日本語を学ぶ外国人は、
「日本を来たとき、同僚がパーティーを開いてくれた。」とすべきでは?と質問してくるそうです。

これを説明する際に用いられるのが、相対テンスという考え方。

これは、主節の事態が起こっているとき(つまり、「同僚が送別会を開いてくれた」とき)を基準にして、従属節の事態がいつ起こっているかによって、テンスが変わるという考え方です。

この例文では、従属節の「日本に来るとき」は、主節の「送別会を開いてくれた」ときよりも、後に起きる事態なので、ル形が使われるそうです。

一方、日本に同僚がいて、日本に着いたとき、日本で同僚がパーティーを開いてくれた場合は、タ形になるそうです。


■感想
英語の文法が昔から好きで、パズルを解くようで面白いと感じていました。同様に本書を読むと、外国人が日本語を学ぶ際の日本語文法も、論理的な規則があって、とても面白いものでした。本書は英語の文法との違いを中心に説明しているので、翻訳者にとっても有益な内容だと思いました。







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2016年6月7日火曜日

[おすすめの科学雑誌] New Scientist

特許翻訳者におすすめの英語の科学雑誌を紹介します。


  • New Scientist




このイギリスの科学雑誌を少し前にイギリス人の特許翻訳者の方から数冊いただいて、最近読み終えました。とても勉強にもなり、内容も面白かったので、kindle版を継続的に購入しようと考えています。
この雑誌は、さまざまな技術分野の最先端の研究を分かりやすい紹介していて、技術的な説明に偏りすぎていないので、文系出身の方でもスラスラと楽しみながら読めると思います。おすすめです。


  • Scientific Americans

これは、アメリカの一般読者向けの科学雑誌で、翻訳学校の講師の方から紹介されました。New Scientistよりもお手頃価格。





2016年1月24日日曜日

[参考書籍] 日本語の作文技術

主に英日翻訳に際して、日本語作文力を身につけるための本を紹介します。

  • 日本語の作文技術 本多勝一



これは、特許事務所に入った際に、勧められた本です。著者は、朝日新聞の記者で、新聞記事や技術文書など事実を正確に書く作文技術を丁寧に説明しています。

  •  理科系の作文技術


この本も非常に有名な本です。主に理系論文を書く人向けなので、翻訳者には不要な箇所も多いですが、 『標準記法』などは一読の価値があると思います。

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2014年11月11日火曜日

【参考書籍】前置詞と冠詞

英語を学ぶ日本人がもっとも苦手とするのが、「前置詞」と「冠詞」です。特許翻訳者も、これらを使い間違えるだけで、特許権利化後の権利範囲が大きく異なって、場合によっては、使い物にならない権利になってしまいます。そのため、これらを克服することが、特許翻訳者には求められます。以下は、講師の方が紹介してくださった書籍です。

■前置詞

<ネイティブの感覚で前置詞が使える>
持ち歩くには不便なほど、非常に分厚い本です。この本は、様々な例文とイラストで前置詞のイメージを頭の中に植えつけるようにされています。ネイティブの子供は、さまざまな場面に出くわし、その都度、「前置詞」のイメージを固めていくそうです。


■冠詞
冠詞については、講師の方がおすすめした本を紹介しておきます。この本は予備校講師が執筆したもので、ネイティブスピーカーがどのようなイメージを持って冠詞を使用しているかを非常に分かりやすく説明しています。ボリュームはそれほどありませんが、どの章も「目からウロコが落ちる」ような内容で、感嘆しました。オススメです。
・aとtheの底力 -- 冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界

・数量英語の活用文例集 


【参考書籍】日本の特許制度

私は学生時代から弁理士資格取得のための勉強をしていましたが、新卒で勤務した特許事務所での仕事が忙しくなったため、勉強は一旦中断してしまいました。ただ、その後も、実務で必要な知識を得るため、様々な本を読んできました。その中で、最も分かりやすかった「標準 特許法 高林龍 著」が、翻訳学校の講師にも推薦されていました。すでに第4版が出ているみたいですが、講師いわく、「古い版でもかまわないので、目を通しておいた方がよい」とのこと。





それから、「産業財産権標準テキスト 特許編 発明協会」も推薦されていました。
特許の素人でも分かりやすくコンパクトに特許法を解説しているため、オススメだそうです。




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