2016年12月4日日曜日

[おすすめ]税金について学べる本



今年もあとわずか1ヶ月となりましたね。フリーランスは、年が明けたら、確定申告の準備を進めなければいけません。今年は、クラウド会計ソフトfreeeを使用して、随時会計処理を行ってきたので、昨年よりは苦労なく、確定申告ができるだろうと思っています。




それと並行して、税金の知識を学んでいます。以下に、とても分かりやすい税金の本を紹介しておきます。
  • 「超」納税法 (新潮文庫) 野口悠紀雄
野口悠紀雄さんがベストセラー作家になったあと、印税収入が増大し納税について税務署との見解の相違が生じた様子が書かれています。この本は、サラリーマンの自立を促しており、フリーランスの方だけでなく、「サラリーマン法人」と目指す方にもおすすめです。




  • 「超」税金学 野口悠紀雄


  • フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。
複雑で多岐にわたる税制について、フリーランスの方が知っておきべき重要な部分を解説してくれる良書。





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2016年11月19日土曜日

[書評] How to Teach Quantum Physics to Your Dog


本書は、物理学の教授であるチャドが犬に量子物理学を教える本。好奇心が掻き立てられる内容で、翻訳書と合わせて読むと、とても勉強になりますね。

日本でも入門書として「犬でもわかる」「猿でもわかる」シリーズはよくありますが、難しい内容をわかりやすく伝えていることを意図し、読者の心理的障壁を取り除いているだけだと思います(あまりこうした本は読んだことないので正確には分かりませんが)。でも、本書では、実際に(英語が理解できる)犬と対話しながら、簡潔な英語でわかりやすく量子物理学を説明していく(当然、犬が理解できるわけはありませんが)。

元Google日本法人社長の村上憲朗さんは、教養として「量子力学」を学ぶことをライフワークにしているそうです。量子力学は、従来の常識とはかけ離れた世界で、究極的には哲学的問題に突き当たる。量子力学には、「一生を棒にふってもいいと思える」ほどの面白さがあるそうです。

ところで、"How to Teach Quantum Physics to Your Dog"という英語タイトル、「犬でもわかる~」とせずに、あくまでも「~犬への教え方」としているのは、訴訟社会アメリカならではなのでしょうか?電子レンジで猫をチンした事件で敗訴したメーカーが、多額の賠償金を支払った後、取扱説明書に「動物等を乾かす目的で使用しないでください」とあるのは有名な話ですが・・・。

  • 目次 

はじめに 犬に物理の話をするのはなぜ? 量子物理学のすすめ
1章 どっちへ行く? 両方へ行く 波動と粒子の二重性
2章 骨はどこ? ハイゼンベルクの不確定性原理
3章 シュレーディンガーの犬 コペンハーゲン解釈
4章 たくさんの世界、たくさんのおやつ 多世界解釈
5章 まだ着かないの? 量子ゼノン効果
6章 穴掘り無用 量子トンネル効果
7章 気味の悪い遠吠え 量子もつれ
8章 ウサギを転送してくれたまえ! 量子テレポーテーション
9章 チーズでできたウサギ 仮想粒子と量子電磁力学
10章 悪のリスにご用心 量子物理学の乱用
  •  How to Teach Quantum Physics to Your Dog




  • 犬でもわかる現代物理



  • 量子力学が語る世界像(村上憲朗さんがおすすめしていた入門書)



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2016年11月13日日曜日

[講演] 難民問題について考える

本日、JAR(Japan Association for Refugees:難民支援協会)が主催する「ちきりんと考えよう 日本が毎年1万人の難民を受け入れるには?」というセミナーに参加しました。

あまり馴染みのない問題でしたが、今後10年のうちに、日本が本格的に取り組まなければならない課題であることを認識しました。

2015年における先進国の難民受け入れ状況は、ドイツ約13.8万人、アメリカ約2.3万人、フランス約2.1万人に対して、日本はたったの27人、その認定率は、わずか0.6%しかありません。申請には多大な労力を必要とし、難民申請用の書類はダンボール1箱分ほどの量にのぼり、しかも日本語に翻訳して法務局に提出する必要があるそうです。

難民の受け入れについては、犯罪の増加や治安の悪化、住民との共存などにおいて不安な側面もありますが、上述した先進国との比較においても、今後は目を背けていられない問題と実感しました。

以前、発展途上国を旅していたころ、自分はたまたま日本に生まれただけで、裕福に旅ができることに感謝する一方でひょっとしたら自分も貧しい国に生まれ、同じように物乞いをしていたかもしれないな、と想像したことが幾度もありました。人は生まれる場所を選べないのです。難民の人たちも好き好んでそのような状況に陥ったわけではないのです。

このセミナーでは、「資金、仕事、コミュニティ」の3つの観点から、1万人を受け入れる環境をどのように整えていけばよいのかについて議論しました。さすがに150人も集まると、斬新なアイディアが出てきますね。それから、ちきりんさん、JARの広報の方のファシリテーションは素晴らしかった~。

詳しくは、ちきりんさんのブログへ。

少子高齢化社会が進む中、移民問題も含め、外国人労働者を受け入れる環境を整備していくことが今後ますます重要になってます。

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2016年11月8日火曜日

[書評] 感動する科学体験100~世界の不思議を楽しもう~

本書は、英国New Science社が科学関係者から人生で一度はやってみたい科学体験を100個集めた翻訳本。原書は"100 Things to Do Before You Die"というタイトルでベストセラーになり、New Science社から翻訳権を得た翻訳者が、日本向けにアレンジして出版したそうです。

『さんま・玉緒のお年玉!あんたの夢をかなえたろかSP』というテレビ番組で、普通の人たちが秘かに抱いている、具体的でユニークな夢を知るのも楽しいですが、本書にでてくる科学者たちの夢もとても興味をそそられました。その中で、自分もやってみたいと思ったものをピックアップしておきます。


  • ロケットの打ち上げを見る(種子島宇宙センター、内之浦宇宙空間観測所)

  • 『客家円楼(中国広州)』を訪問する

  • 土星の輪を見る

  • 水中ホタルの湾で泳ぐ(プエルトリコ、ヴィエケス島)
  • 世界最大の魚(ジンベエザメ)と泳ぐ

  • 粒子検知システムを訪問する(スイス、ジュネーブのCERN研究所
  • 祖先を訪れる(人類のはじまった場所タンザニア オルドヴァイ渓谷)

  • 古代美術に感動する(フランス、マス・ダジールの洞窟)

  • ホタルの木を見に行く(インドネシアのスマトラ島、パプアニューギニアの島々)



感動する科学体験100 ~世界の不思議を楽しもう~ (知りたい!サイエンス)


100 Things to Do Before You Die (Plus a Few to Do Afterwards)



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2016年10月17日月曜日

2016年に観てよかった映画

今年も、シンゴジラ、君の名は。など話題作を含め、様々なジャンルの映画を見ました。その中から厳選した素晴らしかった映画を紹介します。

■オマールの壁
今年観てよかったナンバーワンの、パレスチナを舞台にした映画。

[あらすじ] ひたむきに仕事をこなすパン職人でありながら、仲間たちと一緒に反イスラエルの闘士として活動するパレスチナ人青年オマール(アダム・バクリ)。彼は監視塔から撃ち込まれる銃弾を回避しつつ分離壁を乗り越え、恋人ナディア(リーム・リューバニ)のもとに通う日々を送っていた。そんな中、彼はイスラエル兵士を殺害したとして拘束されてしまう。イスラエル軍から壮絶な拷問を受けたオマールは、解放を条件にスパイになるように迫られる。幼なじみでもある仲間との絆を壊され、ナディアとの仲も引き裂かれたオマールは……。(シネマトゥデイ)
ストーリーも演技も素晴らしかった。当初は分離壁を力強く登りきっていたオマールが、捜査官の巧みな策略により、仲間たちを信じられなくなり、分離壁を登れなくなっていく様子が印象的でした。


■人間の値打ち
イタリア・アカデミー賞で7冠に輝いたイタリア映画。イタリアのミラノ郊外にあるコモを舞台にしたということで、映画の中で懐かしい風景を見たいと思い、見に行きました。登場人物たちのそれぞれの視点から、4つの章で組み立てられたストーリー展開は傑作でした。ジグソーパズルが出来上がっていくようなサスペンス映画です。

[あらすじ] ひき逃げ事件をめぐって交錯する2組の家族の運命をミステリー仕立てで描いた人間ドラマ。不動産業を営むディーノは、娘セレーナの恋人の父親である投資家ジョバンニと知り合い、自分も儲けを得ようと借金をしてジョバンニのファンドに投資する。そんな中、ジョバンニの家の近くでひき逃げ事件が発生し……。物語の顛末をディーノ、ジョバンニの妻カルラ、セレーナそれぞれの視点から描くことで、登場人物たちが抱える問題を徐々にあぶり出していく。(映画ドットコムより引用)
原作はHuman Capital by Stephen Amidon


■AMY エイミー
ロングラン上映されていたので、ついに観てきました。
2003年にデビューアルバムをリリースしたエイミー・ワインハウスは、他を圧倒する歌唱力と歌声で一躍トップスターの仲間入りをする。第50回グラミー賞では年間最優秀レコードをはじめ5部門で受賞するなど大成功を収めるが、2011年に27歳の若さでこの世を去る。華々しいキャリアの一方、スキャンダラスな私生活にもフォーカスされる機会の多かった彼女の知られざる真実を、これまでに公開されたことのない映像などで振り返る。

 最初から最後までまばたきを忘れてしまうほど映画に没入してしまいました。ドキュメンタリー映画ですが、脚本があるようなサクセスストーリーとその後の死に至る破滅の展開に圧倒されました。音楽が素晴らしいので、音響のよい環境で見るのをおすすめします。


・AMY エイミー(オリジナル・サウンドトラック)2016


■愛と青春の旅立ち
1982年の古い映画。アマゾンプライムで観ましたが、名作はさすがに面白いですね。
青年ザックが海軍士官学校に入学したのは、自らの暗い過去と決別して新しい人生を手にするためだった。そして過酷な訓練に苦しむ彼の前に、町工場で働く娘ポーラが現れる…。親友の死、挫折を乗り越えて生きる目的を掴む青年を、爽やかな恋と共に描いて大ヒットを記録した“青春映画不滅のバイブル”。
リチャード・ギア主演映画は、「プリティ・ウーマン」や「オータム・イン・ニューヨーク」など、ダンディーな大人の男性の役柄のものしか観たことがなかったので、軍人の役を熱演する若かりし頃の演技がとても新鮮でした。

・アマゾンプライム会員の方は以下より無料で鑑賞できます。


■番外:レジェンド 狂気の美学
別の映画を観るつもりでしたが、満席だったため、予備知識のないまま、この映画を鑑賞しました。
[あらすじ] 1960年代初頭のロンドン。双子のギャング、レジー・クレイとロン・クレイは暴力で街を支配し、有力者やセレブリティーとも親しく、権力をほしいままにしていた。やがてレジーはフランシス(エミリー・ブラウニング)と結婚し、ナイトクラブの経営に重点を置くようになる。しかし、組織内の争いやロニーの破滅的な行動により彼らの栄華に陰りが見え始める。(シネマトゥデイ) 
スピード感のある展開にも驚きましたが、観終わったあとに、双子のギャングの役をトム・ハーディが一人二役で演じ分けていたことを知り、驚きました。雰囲気もまったく違って、お互い言い争ったり、殴り合いの喧嘩をしていたので、別人かと思い観てきました。

・レジェンド 狂気の美学 コレクターズ・エディション [DVD]






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2016年10月15日土曜日

デジャブ


 はじめてこのジャズバーを訪れたとき、以前来たことがあるような不思議な感覚、いわゆるデジャブ(既視感:実際は一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したことのように感じること)が起こりました。

皆さん、分かりますか?

ヒントは、この時期、毎年話題にのぼる作家の、ある小説。

 そう、村上春樹さんの「ノルウェイの森」という小説の中で登場するジャズバーは、この新宿にあるDUGという店をモチーフにしたそうです。

 この作品は、高校生のころはじめて読み、それから何回か読み返していたので、記憶の片隅に残っていたんだと思います。また、小説を読んだあと、だいぶ経って記憶がなくなったあと、映画化された作品を見ました。そのとき、忘れてしまった内容と、記憶している内容があるのに気づき、面白く感じました。何を忘れ、何を記憶するかは、おそらく当時自分が重要だと思ったことと、そうでないことを基準にしているように思うからです。

 彼の作品は、40カ国以上の言語に翻訳され、世界中に多くのファンを獲得しているので、近年、急増する訪日外国人旅行者の中には、この店を訪れて私と同じように感じている方もいるかもしれません。

 ところで、特許翻訳をしていると、次から次に新しい技術分野(コンピュータセキュリティから付け睫毛取付具まで)の発明に突き当たり、その都度、関連する書籍を読み、背景技術を勉強しますが、終わったら、すぐに忘れてしまいます。特に書面だけで発明を理解するのは大変な場合もあります。あまり馴染みがない「付け睫毛取付具」を翻訳していたときは、実際にお店に行き、関連する商品を探しましたが、結局、同じような商品は見つかりませんでした。特許発明は、新規性、すなわち、従来公開されていた技術とは異なるものである必要があるため、実際に商品化されるのは、出願されてから数年後という場合もあります。発明の内容をしっかり理解することを努めていれば、いつか製品化された商品を目にしたときに、デジャブが起きるかもしれません。


■Norwegian Wood (Vintage International) Kindle版

■ノルウェイの森 【スペシャル・エディション2枚組】 [DVD]

■ノルウェイの森 上






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2016年10月11日火曜日

[講演]柴田元幸先生、翻訳を語る

先日、柴田元幸先生の講演に参加しました。

柴田元幸先生は、東京大学文学部の名誉教授であり、翻訳業界ではとても有名な方で、文芸翻訳になじみのない私でも、村上春樹さんとの共著「翻訳夜話」などで名前は存じておりました。

目からウロコが落ちる、面白い内容だったので、ここでシェアします。




  • 翻訳はあくまで副業で、好きなものしか翻訳しない
  • 主に電子辞書(特に信頼度の高いリーダーズ、ランダムハウス)を用いて、ノートに手書きで翻訳をしている
  • Googleで表現をチェックしている
  • 変な日本語が入ってこないように、テレビは持っていない
  • 翻訳者は、読者の代表であり、作者の代弁者ではない
  • 翻訳していて「分からない箇所」に突き当たったら、とりあえず訳して先に進む。後から内容の理解が進むと、「分からない箇所」も明確になるから
  • 小説の翻訳では、「意味」よりも「快楽」を伝えることが重要
  • 例えば、ダジャレは、笑いが等価になるように訳せばよい
  • 小説の中での人称代名詞(私、僕、俺など)の決め方は、登場人物の関係性で決めることが多い
  • 小説の翻訳では、一文の翻訳で正しく伝わらなくても、文章全体で内容が伝わればよい
  • 英語では一文が長い場合、複数の文に分けて翻訳してもよい
  • 賞味期限の短い流行のコトバは使わない
  • 昔の英文小説では、「過去形」を使用したものが多かったが、現在は、「現在形」を使用することが多いのは、「先の見えない状況」を表すため



このような翻訳の講演会に参加するのは初めてでしたが、とても刺激を受けました。翻訳道も、非常に奥が深く、極めるのは長く険しい道のりだと感じました。

■翻訳教室 柴田元幸








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2016年9月26日月曜日

ボルダリング

先日、近所にあるクライミングジムに行ってきました。
クライミングは、2020年の東京オリンピックでは正式種目にも選ばれ、今後ますます注目される競技です。
ボルダリングはこのクライミングの一種で、命綱を使わずに壁を登るタイプのクライミングです。


登るコースは、人工壁に取り付けられたホールド付近に貼られた様々な色のテープにより、難易度(8〜1級、1段、2段)が決められています。

料金は以下のとおりです。
■料金
  • 一日使用料金¥1,835
  • レンタルシューズ¥215
  • レンタルチョークバック¥105
週末ということもあり、家族連れや女性も結構いました。
クライミングは、いかに指や腕の力を使わずに、重心の位置を考えながらバランスを取りながら登ることが重要です。そのため、男性に比べ腕力が劣る女性や子供でも、軽々と登っている方もいます。私は、10年以上前に一度経験したことがあり、 その時は、腕力で登るものと思ってひどく疲れてしまったことも覚えていたので、今回は、その経験を踏まえて、足をうまく使用して楽しく登ることができました。帰宅後、動画でボルダリングのコツを学びました。




  • 腕を伸ばして、猿のようにぶら下がる
  • 腕の下に重心が来るように、腕に対して足を左右対称に配置する。
  • 足(太もも)を腕よりも3〜4倍くらい優先的に使用する
  • オポジションやカウンターバランスを使用して効率的に移動する。
以上のコツを踏まえて、次回はより難易度の高いコースを挑戦したいと思います。インナーマッスルを鍛えたり、身体のバランス感覚を養うのにとても有効なので、おすすめです。

ところで、翻訳においても、「バランス」が重要だと思います。
例えば、特許翻訳における直訳か意訳かのバランスが挙げられます。
特許翻訳においては、先の外国出願を基礎として、優先権を主張して各国に出願するため、原出願から「過不足なく」翻訳することが求められます。そのため、直訳的な翻訳になりがちですが、このような翻訳では訳文のみを見る第三者にとって、読みにくく、分かりにくい文章になりがちです。そのため「原文に何も足さない、原文から何も引かない」というルールを厳守しながら、できるだけ分かりやすい翻訳を作成する必要があります。この点については、後日書きたいと思っています。

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2016年9月23日金曜日

JTFほんやく検定

以前の投稿で、『フリーランス翻訳者は、業務の中で客観的なフィードバックを受けることが難しい』と記載しましたが、一つの客観的な指標を得る方法として、JTFほんやく検定があります。
米国人の元エンジニアの方がリーマンショック後、この検定に合格し、来日して翻訳者としてのキャリアをスタートしたそうで、ある程度国際的に通用する検定のようです。

ただし、この試験も、どの分野の何級に合格したかどうかが分かるだけで、翻訳文のどこがどう間違っていたかを知ることはできません。そのため、受験料を払って証明書を得る必要がなければ、公式問題集を購入し、自分で問題を解いて、その解説と見比べて勉強した方がよいと思います。



私は、この問題集を買った当初『特許』のみを解いていましたが、最近、情報処理など他の分野も解いてみたら、とても勉強になりました。翻訳者は、専門性だけでなく、『引き出しの多さ』も必要なので、別の分野を勉強することも有益です。


2016年9月18日日曜日

[書評] 昭和史 戦後篇 1945-1989 半藤 一利 (著)

  • 目次 


天皇・マッカーサー会談にはじまる戦後―敗戦と「一億総懺悔」
無策の政府に突きつけられる苛烈な占領政策―GHQによる軍国主義の解体
飢餓で“精神”を喪失した日本人―政党、ジャーナリズムの復活
憲法改正問題をめぐって右往左往―「松本委員会」の模索
人間宣言、公職追放そして戦争放棄―共産党人気、平和憲法の萌芽
「自分は象徴でいい」と第二の聖断―GHQ憲法草案を受け入れる
「東京裁判」の判決が下りるまで―冷戦のなか、徹底的に裁かれた現代日本史
恐るべきGHQの急旋回で…―改革より復興、ドッジ・ラインの功罪
朝鮮戦争は“神風”であったか―吹き荒れるレッド・パージと「特需」の嵐
新しい独立国日本への船出―講和条約への模索
混迷する世相・さまざまな事件―基地問題、核問題への抵抗
いわゆる「五五年体制」ができた日―吉田ドクトリンから保守合同へ
「もはや戦後ではない」―改憲・再軍備の強硬路線へ
六〇年安保闘争のあとにきたもの―ミッチーブーム、そして政治闘争の終幕
嵐のごとき高度経済成長―オリンピックと新幹線
昭和元禄の“ツケ”―団塊パワーの噴出と三島事件
日本はこれからどうなるのか―戦後史の教訓
昭和天皇・マッカーサー会談秘話
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
■感想 
本書を読むと、戦後の日本は、 戦前、戦時中の『昭和史 1926-1945』とはまったく違う時代となったことが認識できます。福沢諭吉が江戸時代と明治時代というまったく異なる2つの時代を半分ずつ生きたことを「一身にして二生を経た」といったようですが、この時代をまたがって生きた人たちも同様に感じたことだろうと思います。
 戦後の日本人は、悲惨な戦争をもう二度と繰り返したくないという思いで平和な国家を志向する。そのため、戦争責任者については弾劾するが、天皇陛下には一切の戦争責任が負わせないように画策する。日本人からこのような趣旨の手紙を多く受け取ったマッカーサーは、早くから天皇陛下を裁判にかけないことを決めていたようだ。日本人にとって天皇という存在の意味を考えさせられる。

それと同時に、日本は世界一の経済大国まで登りつめる。これは、日本人の勤勉さにもよるが、数々の幸運が重なった結果であると分かる。朝鮮戦争が勃発すると日本経済は前例のない特需に湧き、その中でソニーやトヨタなどの世界的企業が誕生した。

また、本書を読むと、これからの日本のあるべき姿について考えさせられる。北朝鮮のミサイル問題、中国との尖閣問題など東アジアの緊張が高まるにつれ、憲法改正、武装化の議論が持ち上がるが、これらの問題は日本が戦後歩んできた歴史を踏まえて考えることが大事だと感じます。「戦争のない世界を」という究極の理想を志向して創案された憲法9条により、日本という国が世界の国々から道徳的な国家として尊敬の念を得られてきたという側面があると思います。

 憲法9条 条文

  1. 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 
  2. 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。 国の交戦権は、これを認めない。


なお本書について、詳しい内容は、
社会派ブロガーChikirinの日記『昭和史 戦後編』を読んで 
にまとめられています。

■昭和史 戦後篇 1945-1989

2016年9月12日月曜日

[おすすめ]日本語文法ハンドブック


 本書がおそらく日本語文法の定番の本だと思います。恥ずかしながら、企業で知財業務をしていたときは、知りませんでした。しかし、プロの翻訳家やライターになるには、必須の書かもしれません。以前書いた『日本人のための日本語文法入門』は、気軽な読み物としておすすめですが、本書は、ボリュウムがあり、文法で分からないことがでてきたときに、その都度確認するための座右の書だと思います。

欲を言えば、例文の英訳が載っていれば、翻訳者にとってさらに有益な書籍になるのですが・・・。

■初級を教える人のための日本語文法ハンドブック

■中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック

2016年9月8日木曜日

気づき⇒改善

この夏、マシーンジムでの筋トレの頻度を落とし、代わりに週2回ほどの頻度でプールで泳ぎました。水泳は、小学生の頃に数年間水泳教室に通った程度の能力しかありませんが、ゆっくりと息継ぎをしながらなんとか気持ちよく泳ぐことはできます。

昼間のプールでは、大半は年配の方が水中ウォーキングをしていますが、ある日、若い小柄な女性が上級者用の往復レーンをまるで人魚のように泳ぐ姿に目を奪われました。本当に無駄のない動きで泳いでいました。

自分との違いは何なのかと疑問を持ちました。
帰宅後、動画サイトで、「アスリート解体新書 (21)水泳/クロール・平泳ぎ ~水の抵抗を味方に変える~」という動画を発見しました。

  • 水の抵抗を減らすため、水面に平行な姿勢をとること
  • クロールでは、85%は手の掻きで推進力を生み出す
  • クロールのストロークは、エントリー、キャッチ、スカーリングプル、フィニッシュに分けられ、そのうちキャッチとフィニッシュを速くする
  • 水を斜め(45度以内)に押し出す
  • クロールでは、キックは膝から下を小刻みに動かす
  • 平泳ぎでは、主にキックが推進力を生み、足引をできるだけ腰の内側で行い、素早くキック
  • 平泳ぎでは、水面に平行な姿勢を長くとる

この内容はまさに目からウロコ。
次の日、さっそく実践してみました。 その後も、継続してプールで泳ぎ続け(この夏だけで30回以上)、ようやく泳ぎのコツみたいなものが分かった気がします。

 翻訳においても、この「気付き」がとても大切だと思います。 フリーランスとして仕事をしていてもクライアントからフィードバックをもらうことはほぼ皆無。仕事が来ているからおそらくこれでいいんだろうなくらいで、本当に自分の実力がどの程度なのか客観的に知ることはなかなかできません。 つまり、フリーランスの場合、自分自身で一流の翻訳者との違いに「気づき」、それを克服していく必要があるのです。 さらに難しいことに、公開されている無数の特許公報の中から、どれが一流かどうか、初心者の頃はなかなか判断がつかないかもしれません。 この業界で慢性的に一流の翻訳者が不足していると言われている理由は、このあたりにあるのかもしれません。

フィットネス業界でもパーソナルトレーナーがブームになっていますが、 こうした気づきを与えられる翻訳のパーソナルトレーナーも必要なのかもしれません。

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2016年9月2日金曜日

[書評] 科学は歴史をどう変えてきたか: その力・証拠・情熱



■目次
はじめに 淡いブルーの点
1 宇宙―そこには何があるのか
2 物質―世界は何でできているのか
3 生命―私たちはどうやってここまで来たか
4 エネルギー―無限のエネルギーを手に入れられるのか
5 人体―生命の神秘とは
6 脳―私たちとは
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
本書は、BBCのドキュメンタリーと連携して作成された書籍であり、古代から現代に至るまで科学の歴史を、カラーの図表や写真を用いて分かりやすく説明しています。内容的にも難しすぎず、易しすぎず、中学生や高校生の教科書としても適していますが、幅広い分野の知識を得たい特許翻訳者にとっても役立つおすすめの一冊です。

通常の教科書と違って本書が面白かったのは偉大な科学者の性格にも触れている点。例えば、ニュートンは、「気難しく内向的な人間」であり、「木からリンゴが落ちるのを観て、その同じ力が月にも働いている」と思ったという有名な話は、ニュートン自身が晩年に作り上げた全くのフィクションであったようで、こうしたイヤミな一面にも触れています。科学者の人間的な部分を描くことで、科学に疎い一般の読者(視聴者)にも、感情移入しやすくなるようにされています。

また、本書では、主にヨーロッパにおける戦争や革命と、発明との関係にも言及されています。その発明がその当時、どのような意義を持ったかを知ることができます。

最後に、本書が素晴らしかったのが、翻訳のクオリティの高さです。翻訳書であることを感じさせないほど読みやすくなっています。翻訳者としても、こうした良質な科学文献を日本人に伝えるという意義のある作業に関われることはとても充実感があることだろうと感じます。

 なお、BBCのドキュメンタリー番組は、"The Story Of Science"とネットで検索すると、見つかります。





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2016年8月27日土曜日

原稿のチェック(校正)方法

一度翻訳した原稿を納品する前に、訳抜け、誤訳をチェックする必要がありますが、以前の記事『仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する』にも記載した通り、提出期限までこの作業を繰り返してしまい、多大な労力と時間が費やされることになります。

そういうわけで、最近は、自分なりにシンプルな原稿のチェック(校正)方法を確立しています。
具体的には、訳文と原文をそれぞれコピーし(Tradosの場合では左半分に原文、右半分に訳文が対比されてコピーされたもの)、それを青色のボールペンで原文と訳文をそれぞれ単語毎(あるいは文節毎)下線を引いていきます。訳抜け、誤訳等を発見したときは、赤色のボールペンを使用して、下線やメモを残します。最後に、そのメモを見ながら、パソコン上で修正していき、チャックが完了となります。

その際、使用するボールペンとしては、非常に滑らかな書き心地の『多機能ペン ジェットストリーム 4&1』を重宝しています。

  • 多機能ペン ジェットストリーム 4&1



しかし、チェック作業の多くを青色のボールペンで行うため、どうしても青色のインクの減りが早くなってしまいます。

そこで、最近、はじめて万年筆を使い始めました。
文房具店で実際にいろいろ試し書きしましたが、なぜか安価な『パイロット 万年筆 カクノ FKA-1SR-LF 細字 ブルー』が一番書きやすかったので購入しました。おそらく万年筆では珍しく、三角グリップを採用しており、握りやすくなっているからだと思います。また、このカクノのペン先は、パイロットの万年筆の中でも高価なタイプ『コクーン』や『プレラ』と同一のようなので、品質的にも問題ないようです。
万年筆は、ボールペンよりも少ない力で書けるので、満足しています。


  • パイロット 万年筆 カクノ FKA-1SR-LF 細字 ブルー






2016年8月16日火曜日

[PC周辺機器] トラックボール


トラックボールは、一度使ったら、マウスを使うのが嫌になってしまうほど快適です。マウスからトラックボールに切り替えて、もう5年以上経ちますが、たまにマウスを使うと、どうして無駄に手を動かさないといけないのかと、イライラしますね。
トラックボールは、手の位置を固定したまま、ただ指だけを動かせばいいので、腱鞘炎になる心配もありません。また、机の上で、マウスを動かすスペースを設ける必要もなく、省スペースにも有効です。特に、マウスの移動が大きくなる大画面やデュアルモニターを用いている場合に、有効です。

使用前は、使い慣れるのが大変なんじゃないかと思っていましたが、それほど難しいものではなく、ほんの数時間ですぐに慣れました。

私は、Windowsだけでなく、MacのPCでもこのトラックボールを使用しています。つまり、MacのMagic Trackpadより使いやすいと思っています。おすすめです。


  • LOGICOOL ワイヤレストラックボール M570t




  • Apple Magic Trackpad MC380J/A

2016年7月27日水曜日

[書評] 職業としての小説家 村上春樹著



本書は、村上春樹が小説家について語った本だが、小説家と対比して、「翻訳者」について考えると面白い。

小説家との違いについて

まず最初に、著者は「作家というのは基本的にエゴイスティックな人種だし、やはりプライドやライバル意識の強い人が多い。」と述べています。たしかに人と違ったオリジナリティのあるアイディアを提供できる人でないと小説家には向かないですね。そういう意味では、発明者に似ているかもしれません。

一方、翻訳者について言えば、個人的には、割りと素直で従順な人で、間違いを自分のせいだと考えてしまう人が向いているように思います。逆に、原文の誤りや解釈について、自分が正しいことを延々と主張する人は向いていないように思いますね。

次に、著者は、小説は誰でも書こうと思えば書けるものであり、実際に歌手や画家など異業種から来た多くの新人作家が小説を書いて、それが評判となることもあるが、二十年、三十年にもわたって小説家として活躍することは難しいと述べています。

これについて言えば、お笑い芸人である又吉直樹さんが書いた「火花」が芥川賞を受賞したことからも納得できますね。ただし、継続して面白い小説を書き続けられるかが小説家としての本当の資質であるようで、今後が勝負ですね。

一方、特許翻訳者は、日本語力と外国語力を含む語学力、論理的思考力、細部を対する注意力、技術理解力など様々な能力が求められ、翻訳者として継続していくことも難しいですが、それ以上に新規参入していくことが難しいと思います。翻訳会社が設けているトライアルが、通常の明細書より難易度が高いものに設定していることからも参入障壁を高くしているように思います。
小説家との共通点について
「長期間にわたる孤独な作業を支える強靭な忍耐力」は、小説家と同じように、フリーランスの翻訳者にも必要となります。普段は、家に閉じこもって仕事をするため、ほとんどしゃべることがない日が続くことになります。長期的にこうした生活を続けるためにも、社会との接点を見つける努力も必要だと思います。

■感想
 以前は、村上春樹氏の小説をよく読んでいましたが、最近は、本書のようなエッセイを好んで読みます。30年以上続けた作家としての生活スタイルは、とても参考になります。著者は翻訳者としても活躍しているので、いつか「職業としての翻訳家」を書いてもらいたいですね。 

 本書の中で、著者は、神宮球場でヒルトンのいう打者が二塁打を打ったのを見たとき、突然、小説を書こうと決心したようです。私自身もこうした直感を大切にしたいと思っています。いつか、こうした啓示のような出来事があったときは、躊躇わず、前に踏み出したいと思っています。


そして、処女作である「風の歌を聴け」を書き上げたあと、自分で読み返した際、その内容があまりに面白くなかったので、一度英文に翻訳し、さらに、それを日本語に翻訳してみたことを語っています。この方法により、独特の新しい文体が生まれ、結果的に「群像」の新人賞を獲得し、小説家としての道が開かれたそうです。彼の文章が翻訳調といわれる所以だそうです。

私は、今のところ特許翻訳のみを対象としていますが、いつかノンフィクション、小説などを対象とする翻訳もしてみたいです。また、今はまったく思いませんが、突然の直感で、小説を書き始めることもありかもしれません。



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2016年7月22日金曜日

[筋トレの日々] 肉体改造の一年の成果

去年の今ごろからスポーツジムに通い始め、ちょうど一年が経過しました。長期離脱することなく、継続的(平均週3回以上)に通うことができ、肉体的にもかなり若々しく、健康的な状態となりました。この一年、筋力トレーニングだけでなく、ヨガや水泳も行い、全身の筋肉を満遍なく鍛えました。
使われていない筋肉はぶよぶよとした柔らかい状態(英語ではflabbyというそうですが)になるそうですが、一年前に比べて、今はほぼ引き締まった身体になりました。また仕事中の集中力も向上したように思います。

プロテインも継続して飲み続けています。いろいろな味を試しましたが、甘さ控えめのエスプレッソ味が一番飽きのこないですね。

DNS WHEY PROTEIN G+ (ホエイプロテインG+) エスプレッソ風味 1000g


最近では、さらに別のスポーツにトライしてみようと、合気道の道場に体験レッスンに2回ほど行きました。意外にも、先生を含め、生徒も半数以上が女性で、それほど激しい運動ではないですが、受け身のため、前回りや後ろ回しが必要となり、目が回ってしまうのが問題でした。というのも、スポーツジムでは自分のペースでただリフレッシュのために行っていましたが、合気道では先生の指導の下、皆のペースで進み、またリフレッシュせず、ただ目が回ってしまうので、その後、仕事を再開できないからです。ということで、合気道は継続するかはまだ検討中です。

いずれにしろ翻訳業を行う限り、運動も両立していきたいですね。

最後に最近よく見る、筋トレの動画サイトを紹介しておきます。
Kanekin Fitness
かねきんさんのポジティブなメッセージにより筋トレのモニベーションがアップします。

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2016年7月11日月曜日

[おすすめ書籍] 日本人のための日本語文法入門 原沢 伊都夫 著

翻訳者としてより高いレベルを目指すために、日本語の文法を学ぶことが重要だと思います。これは、和訳において、日本語をより正確に表現するためだけでなく、英訳において、日本語を正確に汲み取るためにも必須だと思います。

そこで、入門書として本書が非常に分かりやすくおすすめです。


  • 日本語に主語は重要か? 「は」と「が」はどこが違う?
「が」は、動作の主体(いわゆる「主語」)を表す。
それに対し、「は」は、以下のように、話者によって文の主題を提示する。

  1. 母親書籍で翻訳原稿を作成した。
  2. 書斎では、母親が翻訳原稿を作成した。(「書斎」について言えば)
  3. 翻訳原稿母親が書斎で作成した。(「翻訳原稿」について言えば)
以上のように、同じ事実示しながら、「は」を用いて、異なる主題を提示していることがわかります。これを、「主題−解説」の構造と呼ばれています。さらに、以下のようにさまざまな格助詞(ガ格、ヲ格、二格、デ格、ト格、へ格、ヨリ格、カラ格、マデ格)を主題化することが可能です。
  1. 日曜日母親が書斎で翻訳原稿を作成した。(二格:日曜日母親母親が書斎で翻訳原稿を作成した。)
  2. 駅へは母親が迎えに行った。(へ格:母親が駅へ迎えに行った)
  3. 母親よりは私のほうが背が高い。(ヨリ格:母親より私のほうが背が高い。)
  4. その蛇口は水が出ない。(カラ格:その蛇口から水がでない)
  5. 駅までは徒歩で5分かかる。(マデ格:駅まで徒歩で5分かかる。)

  • なぜ自動詞が多用されるのか? 受身文に秘められた日本人の世界観とは?

本来、自動詞は、「雨が降る」などの自然現象を表すときによく使われ(自然中心)、一方、他動詞は「私が衣服を洗濯する」など人間の行動が起点となり、物事を引き起こすことを表すときに使われます(人間中心)。
しかし、日本語では、英語と比べても、人間に関連することも自動詞で表現することが多いそうです。例えば、
私は驚いた。 I am surprised.
犯人が捕まった。 A criminal was caught.
富士山が見える。 I see Mt. Fuji.
君の気持ちがわかる。 I understand your feeling.

つまり、日本語では、人間の活動も自然界の流れの一つとしてとらえる傾向があるようです。

自動詞と他動詞の見分け方としては、
 自動詞は、「ヲ格成分を持たない」もの
 他動詞は、「ヲ格成分を持つ」もの
と区別できますが、但し、例外として、「起点」と「通過点」を表すヲ格は除外されます。
 起点をヲ格とする移動動詞としては、「出る」「出発する」「離れる」などが挙げられ、
 通過点をヲ格とする移動動詞としては、「歩く」「渡る」「走る」などが挙げられます。


  • 主節と従属節からなる複文に表れる相対テンス

例文)日本を来るとき、同僚が送別会を開いてくれた

英語の場合、「時制の一致」という考えのもと、以下のように表現されます。

When I came to Japan, my colleagues held my party.

そのため、日本語を学ぶ外国人は、
「日本を来たとき、同僚がパーティーを開いてくれた。」とすべきでは?と質問してくるそうです。

これを説明する際に用いられるのが、相対テンスという考え方。

これは、主節の事態が起こっているとき(つまり、「同僚が送別会を開いてくれた」とき)を基準にして、従属節の事態がいつ起こっているかによって、テンスが変わるという考え方です。

この例文では、従属節の「日本に来るとき」は、主節の「送別会を開いてくれた」ときよりも、後に起きる事態なので、ル形が使われるそうです。

一方、日本に同僚がいて、日本に着いたとき、日本で同僚がパーティーを開いてくれた場合は、タ形になるそうです。


■感想
英語の文法が昔から好きで、パズルを解くようで面白いと感じていました。同様に本書を読むと、外国人が日本語を学ぶ際の日本語文法も、論理的な規則があって、とても面白いものでした。本書は英語の文法との違いを中心に説明しているので、翻訳者にとっても有益な内容だと思いました。







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2016年6月7日火曜日

[おすすめの科学雑誌] New Scientist

特許翻訳者におすすめの英語の科学雑誌を紹介します。


  • New Scientist




このイギリスの科学雑誌を少し前にイギリス人の特許翻訳者の方から数冊いただいて、最近読み終えました。とても勉強にもなり、内容も面白かったので、kindle版を継続的に購入しようと考えています。
この雑誌は、さまざまな技術分野の最先端の研究を分かりやすい紹介していて、技術的な説明に偏りすぎていないので、文系出身の方でもスラスラと楽しみながら読めると思います。おすすめです。


  • Scientific Americans

これは、アメリカの一般読者向けの科学雑誌で、翻訳学校の講師の方から紹介されました。New Scientistよりもお手頃価格。





2016年5月30日月曜日

筋トレの日々⑤怪我を予防する

 最近では、体重よりも10kg以上重い70kgのベンチプレスを挙げられるようになりました。この重さになると、手首への負荷も大きくなり、たまに軽い痛みを感じるようになりました。今後さらなる重量に挑戦していく上で手首への怪我を予防するため、サポーターを購入しました。
 これは簡単に装着できて、手首がしっかり保護されるので、安心してベンチプレスやダンベルカールを行えるようになりました。テーピングなどでも手首を固定できるようですが、毎回つける手間を考えると、このサポータをおすすめします。



●mc David (マクダビッド) 手首サポーター スポーティニット リスト M513


注)1箱に1つのサポータしか入っていないので、両手首につけるために2つ購入する必要があります。

2016年5月25日水曜日

[映画]夕凪の街 桜の国


前回紹介した「昭和史」に続いて、太平洋戦争に関わる映画「夕凪の街 桜の国」を紹介します。

この映画は、原爆投下された広島を舞台に、被爆した家族が2世代にわたって、原爆症に悩まされる様子を描いています。

原爆が投下された直後の生々しく痛々しい部分はほとんど映像化しておらず、被爆した女性とその子供たちが原爆症を抱えながら、必死で生きていくシーンを中心に描いています。

原爆で被爆したものの、なんとか生き延びた女性を演じるのが、麻生久美子。原爆投下で妹、父親を亡くした過去を抱えながら、自分自身も原爆症に悩まされる女性を繊細な演技で表現しています。

そして、被爆したがなんとか生き延びた女性から産まれた娘を演じるのが、田中麗奈。戦争も原爆も過去のものとしながらも、母親を若くして亡くした原因(原爆症?)に向きあおうとする、明るく前向きな女性を多彩な表情で表現しています。

久しぶりに邦画を観ましたが、この女優二人の演技力は素晴らしいですね。

この映画の中で、個人的に最も印象に残ったセリフは、以下。
❝十年経ったけど、原爆を落とした人は、私を見て「やった!また一人殺せた」と、ちゃんと思うてくれとる。ひどいなぁ。てっきり私は、死なずにすんだ人かと思ってたのに。❞
このセリフを聴いたとき、原爆を投下した人への怒りと罪のない人たちが犠牲になったことに対する悲しさが入り混じったなんとも言えない気持ちになりました。

同名の漫画が、第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞および第9回手塚治虫文化賞新生賞を受賞しただけあって、過去と現在を行き来するストーリもよかったです。難しいテーマを扱った映画ですが、後味は悪くなかったですね。特に女性におすすめの映画です。









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2016年5月18日水曜日

[書評]昭和史 1926-1945 半藤一利著




【目次】
はじめの章 昭和史の根底には、「赤い夕陽の満州」があった
       日露戦争に勝った意味
第一章 昭和は「陰謀」と「魔法の杖」で開幕した
     張作霖爆殺と統帥権干犯
第二章 昭和がダメになったスタートの満州事変
     関東軍の野望、満州国の建国
第三章 満州国は日本を「栄光ある孤立」に導いた
     五・一五事件から国際連盟脱退まで
第四章 軍国主義への道はかく整備されていく
     陸軍の派閥争い、天皇機関説
第五章 二・二六事件の眼目は「宮城占拠計画」にあった
     大股で戦争体制へ
第六章 日中戦争・旗行列提灯行列の波は続いたが……
     盧溝橋事件、南京事件
第七章 政府も軍部も強気一点張り、そしてノモンハン
     軍縮脱退、国家総動員法
第八章 第二次大戦の勃発があらゆる問題を吹き飛ばした
     米英との対立、ドイツへの接近
第九章 なぜ海軍は三国同盟をイエスと言ったか    
     ひた走る軍事国家への道
第十章 独ソの政略に振り回されるなか、南進論の大合唱  
     ドイツのソ連進行
第十一章 四つの御前会議、かくて戦争は決断された
      太平洋戦争開戦前夜
第十二章 栄光から悲惨へ、その逆転はあまりにも早かった
      つかの間の「連勝」
第十三章 大日本帝国にもはや勝機がなくなって……
      ガダルカナル、インパール、サイパンの悲劇から特攻隊出撃へ
第十四章 日本降伏を前に、駆け引きに狂奔する米国とソ連
      ヤルタ会談、東京大空襲、沖縄本島決戦、そしてドイツ降伏
第十五章 「堪へ難キヲ堪ヘ、忍ビ難キヲ忍ビ……」
       ポツダム宣言受諾、終戦
むすびの章 三百十万の死者がかたりかけてくれるものは?
      昭和史二十年の教訓
関連年表、あとがき、参考文献
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 学校では昭和史を詳しく教えられることがなく、また、自ら学ぶこともしてこなかった。しかし、アジア諸国を訪れたり、日本にいても、アジアを含む外国人と接する機会が多くなる中、自国の歴史を学ぶ必要性を感じ始めていた。戦後70年を迎え、戦争を知らない世代がますます増えて、戦争は風化いくことだろう。
 そうした時に、ライフネット生命保険の出口治明著『「思考軸」をつくれ-あの人が「瞬時の判断」を誤らない理由 』の中で、本書が紹介されていて、読んでみようという気持ちになった。
 本書は著者が知人に講義する形で記述された本なので、難解な言葉を使わず、時系列順に説明していて、スラスラを読むことができた。事実や事件を羅列するのではなく、渦中にいた人物(天皇陛下など)が実際発した言葉が収められており、かれらの感情も把握することもできた。日露戦争の勝利から太平洋戦争に至るまでの日本中の熱狂により、勝てるはずのない戦争に誰もが流されてしまったことがよくわかった。また、『事実は小説よりも奇なり』と言われるように、さまざまな(悲劇的)ドラマが生まれていた。特に、原爆投下後、戦争を継続したい軍部に対する、和平を求める天皇陛下側との葛藤、最後に天皇陛下が終戦の詔勅を行うまでの流れは、どの小説よりも緊迫感があり面白かった。東京での地名や、日本軍が侵略したアジアの国々(フィリピン、ビルマ、満州など)の地名も、実際に行ったことがある場所なので、感慨深く、リアルな出来事として迫ってくるものがある。

 戦争を風化させないためにも、戦争を知らない世代に読んでもらいたい。






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2016年2月27日土曜日

集中力を持続する方法

在宅で仕事をしていると、動画サイトを見てしまったり、ネットの記事を読んでしまったりして、なかなか仕事に集中できないことがあります。

こうした場合に有効な、集中力を持続する方法を紹介します。

ツァイガルニク効果(ツァイガルニクこうか、Zeigarnik effect)は、人は達成できなかった事柄や中断している事柄のほうを、達成できた事柄よりもよく覚えているという現象。

この効果を利用すれば、特許明細書の翻訳中に、動画を見てしまった場合も、仕事のことが気になってまた仕事を再開することができます(これは、脳科学者の中野信子さんがおすすめしていた方法です)。

例えば、特許明細書の第1実施形態の翻訳を終えたところで、終了するよりも、第1実施形態の途中で中断するほうが翻訳のことが気になりますね。

もっと言えば、一文(句読点)の後で翻訳を中断するよりも、一文の途中で翻訳を中断するほうが気になります。
さらには、一単語の入力後に翻訳を中断するより、一単語の入力途中に翻訳を中断する方が気になりますね(但し、スペルミスが無いようにくれぐれもご注意を!)。

これを行うと、中断時間は短くなり、仕事を再開しやすくなります。

●参考文献
The Zeigarnik Effect and the Cognitive Availability of Regrettable Actions and Inactions
wiki/ツァイガルニク効果

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2016年2月15日月曜日

おすすめの映画

ここ数年、英語の勉強も兼ねて、映画を観るようにしています。HuluやAmazonプライム・ビデオでもよく観ますが、映画館にもよく行きます。いちおう観た映画は評価していて、その中で五つ星をつけた、特におすすめの映画を紹介します。


  • はじまりのうた BEGIN AGAIN
キーラ・ナイトレイ演じる女性シンガーソングライターが、ミュージシャンの恋人の浮気が原因で失恋してしまう。友人が彼女を励まそうとライブバーに連れていき、無理やり彼女をステージに上げて、歌を歌うこととなる。偶然居合わせた音楽プロデューサーの目に留まり、デビュー・アルバムの作製に取り掛かるという話。マーク・ラファロが演じるこの音楽プロデューサーも、自分が設立した会社をクビになり、彼女とともに再出発(BEGIN AGAIN)する。とにかく爽快な映画で、特に女性におすすめですね。素敵な音楽が流れるので、いい音響で観賞するといいと思います。

  • セッション
19歳のジャズドラマーが、アメリカ最高の音楽学校に入学し、最高の指揮者のもとで、バンドメンバーとして指導を受けるという、普通の吹奏楽の映画かと思いきや、徐々に想像を超える展開に。彼が、この指導官の限度を越えるスパルタ指導に徐々に反発していき、ついには狂気的なラストを迎えます。それなりの映画通でも、こんな映画観たことないと思います。

  • ゼロ・グラビティ 3D
 それまでは、あまり3D映画が好きではなかったが、この映画で、まるで宇宙に放り出されるような臨場感を味わうことが出来、好きになりました。宇宙旅行は高額でまだまだ行けませんが、この映画なら、チケット代(3Dメガネ代を含む)だけで宇宙を体験できるので、安すぎですね。

  • インターステラー
これも3Dで観た宇宙映画ですが、映像だけでなく、ストーリーも素晴らしいです。地球の時間と宇宙の時間とで進み方が違うところが一番の肝。宇宙に行った宇宙飛行士の父親と地球で待っているその娘が同じ年齢になってしまう。感動的なストーリーで、おすすめです。


  • きっと、うまくいく
 インド映画歴代最大の興行収入を得た作品。「インド映画ってミュージカルばっかりで感情移入できない」と思っていた自分でも、ものすごく楽しめました。インド工科大学の寮を舞台に、若者の自殺というシリアスな社会問題をテーマにした、笑いあり、涙あり、かつとても深い映画です。インド工科大学は、入試倍率が50倍以上(ハーバード大学が11倍)の世界一難関大学の一つだそうです。この映画は、Amazonプライム会員の方は、無料で観れます。

『はじまりのうた』以降、20本以上の映画を観ましたが、未だ五つ星を付けた映画はありません。期待していた宇宙映画『オデッセイ』も残念ながら四つ星止まりでした。

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2016年2月7日日曜日

ヨガについて語るときに僕の語ること


スポーツジムとは別に、月に1〜2回、ヨガスタジオに通っています。
ヨガ歴は、途中に空白期間もありますが、10年以上になります。

ヨガは、文章を書くのに必要な集中力を高めるとともに、デスクワークのストレスを軽減するのに役立ちます。翻訳の作業は、母国語でただ文章を書く以上に、非常に細かい注意力を必要とするので、更に有効だと思います。

 また、年齢を重ねるごとに頭が固くなりがちですが、ヨガは思考の柔軟性を維持向上させるように思います。今まで出会った10人以上のヨガのインストラクターを思い出すと、皆、穏やかで柔和な性格の方でしたね。「健全な精神は健全な肉体に宿る」というように、身体の柔軟性が精神の柔軟性に影響を与えるように思います。

それから、以前書いた書評『現代語訳 般若心経』に記載したように、
ヨガの最中、普段何気なくおこなっている、呼吸や身体の動きに意識を集中することで、自然や地球と一体感を得るような感覚(『共時性』)をときどき覚えます。昔、インドを訪れた際、ガンジス川のほとりのゲストハウスの屋上で、朝、ガンジス川を見下ろしながらヨガをしたことがありますが、大げさに言えば、日本にいてもヨガをしている際、時空を越えて、ときどきその光景が脳裏を浮かび、幸福感を感じることができます。

以上、ヨガをすすめる理由です。

タイトルは、最初「ヨガのすすめ」くらいにしようと思いましたが、あまりにも芸がないので、村上春樹さんの書籍タイトル「走ることについて語るときに僕の語ること」を真似しました。このタイトルもレイモンド・カーヴァーの『愛について語るときに我々の語ること』に由来するみたいですね。

本当は、村上春樹さんみたいにジョギングができたらいいんですが、自分には向かなかったですね。








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2016年1月24日日曜日

[参考書籍] 日本語の作文技術

主に英日翻訳に際して、日本語作文力を身につけるための本を紹介します。

  • 日本語の作文技術 本多勝一



これは、特許事務所に入った際に、勧められた本です。著者は、朝日新聞の記者で、新聞記事や技術文書など事実を正確に書く作文技術を丁寧に説明しています。

  •  理科系の作文技術


この本も非常に有名な本です。主に理系論文を書く人向けなので、翻訳者には不要な箇所も多いですが、 『標準記法』などは一読の価値があると思います。

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2016年1月22日金曜日

[PC周辺機器] ScanSnap S1500シリーズ

本の自炊用に約5年前に購入したScanSnap S1500Mですが、翻訳者になった後も、書類をスキャンし整理するのに重宝しています。しかし、最近、紙詰まりなどが頻繁に発生するようになり、スキャナーに内蔵の消耗品一式ScanAid(ピックローラユニット、パッドユニット等)を購入しました。このScanAidは通常、1年交換を推奨されていますが、他の消耗品ビジネス(プリンターのインクなど)と同様に高額(14,148円)なため、躊躇し続けながら使用してきましたが、さすがに限界を超えたようです。

付属のクリーニングセットで、スキャナー内部を清掃した後、下記の動画を参考に、消耗品を交換しました。

  • ピックローラユニットの交換手順

  • パッドユニット交換手順


しかし、多少はスムーズになったものの、相変わらず紙詰まりが発生しています。正直、高額な値段を払ってまで、交換する必要はなかったかなとがっかりしました。消耗品の交換をせずに、新しいシリーズ(iX500)を購入すればよかったですね。






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2016年1月21日木曜日

[書評]座らない!: 成果を出し続ける人の健康習慣


■はじめに
最近、NHK「クローズアップ現代」で取り上げられたみたいで、話題になっている本。最新の研究に基づいていて、健康オタクの方でも、眼から鱗が落ちる内容だと思う。

■目次
第1章 三つの基本要素
カロリーよりも食事の質が大事
「座り続けること」が最大の敵
成果を出したかったらもっと寝る

第2章 小さな選択が大きな変化を生む
その一口で健康が決まる
座るのは喫煙より体に悪い
睡眠不足はあなたを別人にする

第3章 毎回正しい選択をする
炭水化物・タンパク質比率で選ぶ
家の中の食べ物を配置換えする
歩きながら仕事をしてみる

第4章 良い習慣を築く
砂糖は老化を促進する
代替甘味料は解決策にはならない
心と体のため20分ごとに2分歩く

第5章 自己免疫システムを強化する
表面の色で食べ物を判断する
風邪と睡眠の密接な関係
睡眠では質が量を凌駕する

第6章 生活習慣は遺伝子を上回る
新しい遺伝子を身にまとう
測定するだけで活動的になる
毎日8キロ歩く

第7章 もっと活力が出る生活をする
パンやライスを避ける
大皿料理で食べる量は10%増
運動後も脂肪は燃え続ける

第8章 タイミングが肝心
空腹時は悪食になる
早食いで肥満リスクは2倍
運動後は12時間気分が良い

第9章 応急措置
最初の注文が「アンカー」になる
体の両側を使う
照明でメラトニンを調整する

第10章 賢い選択
タンパク質に優先順位を付ける
友人にジャンクフードをおごらない
短期的な目標を見いだす

第11章 健康的に仕事する
ウオーキングミーティングの効用
オフィス机での食事は危険
睡眠不足は泥酔状態と同じ
……など全30章

■タンパク質に優先順位を付ける
以下の順に、タンパク質を摂取したほうがよい。

  1. 青果物(アスパラガス、アボガド、インゲン豆、ブロッコリー、カリフラワー、えんどう豆、ほうれん草)
  2. ナッツ(アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツ、ピスタチオ、クルミ)
  3. 海産物(ヒラメ、ニシン、サーモン、ほた願い、エビ、舌平目、マス)
  4. 白身肉(鶏肉)
  5. 乳製品
  6. 赤身肉(牛肉、鴨肉、羊肉、豚肉)
  7. 加工肉(ベーコン、サラミ、ソーセージ)
糖質制限食を始めたけど、タンパク質の中でも優先順位があるのは知らなかった。


■感想
翻訳者に限らず、ほとんどのデスクワーカーは、1日7時間以上は座っているのではないか?
しかし、長時間座るという習慣は、心臓疾患や糖尿病その他疾患にかかるリスクを急激に高める(Sitting is Killing You)。

本書は、健康的に働き、成果を出し続けるための、食事、運動、睡眠の方法を具体的に説明している。
米グーグルなどのIT企業は、社内にスポーツジムやサイクリング場を完備し、最新の研究、科学的根拠に基づいた健康的な働き方を実現している。

日本では勤務中にスポーツジムに行ったら怒られそうだが、フリーランスになった昨年から昼間にスポーツジムに通うようになったのは大正解だったと思う。

睡眠の質についてはまだ改善の余地がありそうだ。ベッドに入ったあとや、夜中に目を覚ました時に、ついついスマホを見てしまう癖は止めたほうがよさそうだ。

それから、できるだけ「座らない」ことを習慣づけたい。

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2016年1月18日月曜日

筋トレの日々④理想形に向けて

東京では、初雪により歩道にまで雪が積もり、徒歩でジムに行ってきました。雪の影響でジムにはいつもの半分くらいしか人が来ていなくて、伸び伸び使用できてました。
正月休みで怠けた身体がようやく元通りになり、ベンチプレスで65kgを上げられるまでになりました。今年も肉体改造に励んでいきたいと思っています。

肉体改造においてもゴールを意識するために、理想的な身体はどんな身体かを明確にする必要があります。

去年、ラグビーのワールドカップを観戦し、日本人の小柄な選手たちが、外国人の大柄な選手に向かってタックルしている姿に感動に、本格的に肉体改造を始めました。
そのため、理想形としては「五郎丸選手」ですかね。
五郎丸選手は115kgのベンチプレスを上げているようなので、現時点では五郎丸度56.5%達成している感じですかね。

「五郎丸 」の画像検索結果

世界に向かう翻訳者として、激しく、力いっぱいキーボードを打ちまくりたいですね。

ちなみに、使用しているキーボードは、東プレの「静電容量無接点方式キーボード」で軽いタッチで入力でき、力はほどんどいりませんが(笑)。






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2016年1月13日水曜日

クラウド会計ソフトfreee

クラウド会計ソフトfreeeを使用して、確定申告の準備を開始しています。去年、初めての確定申告の際に、無料版を1ヶ月使用して確定申告を済ませ、その後、個人事業主プラン(980円/月)に加入しました。会計の初歩的な質問や会計ソフトの使用方法など、チャットでリアルタイムで質問できるので、とても役に立っています。会計士に頼むと、この値段の約10倍かかるみたいなので、個人事業主にとっては、有り難いです。
しかし、年初になって、このチャットでの応答が遅くなっているように感じます。おそらく、確定申告の準備の方が大勢質問してくるので、スタッフも大忙しで対応しているのだと想像します。もっと早く準備しておくべきですね。





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2016年1月11日月曜日

[書評] 仮想通貨革命 野口悠紀雄



<目次>
第1章 通貨革命が始まった
第2章 きわめて斬新なビットコインの仕組み
第3章 ビットコインに続くもの
第4章 現代の通貨はどこに問題があるか
第5章 通貨革命は社会をどう変えるか
補論 公開鍵暗号と電子署名

■はじめに
 本書によれば、ビットコインに代表される仮想通貨が、PC、インターネットに次ぐIT革命による第三の波だという。ビットコインが話題になっていることは知っていたが、それほど重要なことだとは思わなかった。ビットコインは、日本ではまだほとんど取引されていないようだが、現在の通貨より優れているので、いつかは今のお金を駆逐するらしい。もちろんビットコインの普及により不利益を受ける人達(政府、銀行)が反発するだろうが、この流れは止められない。あと何年で今のお金に置き換わるのか楽しみだ。

■ビットコインの仕組み
①電子署名を用いてビットコインを送信すること
②取引をP2Pネットワークで維持するブロックチェーンに記録すること
③ブロックチェーン改ざん防止のため、プルーフオブワークの計算を課すこと

ビットコインの仕組みの基礎になった「ナカモト論文」によれば、1つの電子コインは、連続するデジタル署名のチェーンと定義される。つまり、ビットコインは署名を用いて受け渡しをしている。この際、なりすまし、改ざん、否認を防止するため、以下の三点を確認しなければならない。
①送金した者が、確実に署名者であること(他の者でないこと)
②通信途中で金額などが(傍受者などによって)書き換えられていないこと
③送付者は、送付の事実を後になって否認できないこと

「電子署名」、すなわち公開鍵暗号とハッシュ関数を用いた技術で解決している。

■ビットコインと電子マネーの違い
ビットコインと電子マネーとでは、維持運営する仕組みはまったく異なる。
電子マネーとしては、支払いに先立って入金し(「プリペイド型」)、その残額等の情報が記録されているICカードが主流である。

さらに電子マネーには、以下の2つのタイプがある。
  • クローズドループ型:電子マネーが利用されるたびに、発行者に戻すことで、二重使用を防止するタイプ。 例)
  • オープンループ型:利用された電子マネーが発行者を経由せずに転々流通できるタイプ。運営コストが高い。例)Edy
電子マネーの問題点は以下のとおり。
  1. 運営コストが高い。
    • クレジットカードと同様に、電子マネーでも手数料(カード利用額の2〜5%)を店舗側がカード発行会社に対して負担しなければならない。
  2. カード発行会社にとって手数料が安く、採算が合わない。
一方、ビットコインの利点は以下のとおり。
  1. P2Pネットワークによるブロックチェーンの維持と、プルーフオブワークの計算を課すことにより、二重使用を防止しており、運営コストが非常に低い。
  2. ビットコインは、通常の現金と同じように、転々流通することができる。
  3. 電子マネーでは、カードの盗難、紛失等のリスクがあるので、入金額に限度があるが、ビットコインでは、そうしたリスクはなく巨額な送金が可能になる。
  4. 電子マネーは特定の通貨に関連しており、国際送金には使用できない。これに対して、ビットコインは非常に低い送金コストで国際送金が可能になる。

■感想
本書は、ビットコインの技術的内容も非常に丁寧に説明している。その仕組みは非常に難解だが、インターネットと同様に、世の中を変えるインパクトがあるので、本書を何度も読んで理解したいと思う。
ビットコインは、政府や銀行が発行する現在の通貨と異なり、とてもリベラルなものと感じた。ビットコインが普及すれば、国境を越えて個人間で仕事を請け負うことができるようになるであろう。従来では送金コストが高くて成り立たなかったような小さなビジネスが国境を越えて成立することになりそうだ。発展途上国の優秀な個人が恩恵を受けそうだ。つまりグローバルでは、ますます貧富の格差が縮小される方向に移行していくだろう。


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2016年1月10日日曜日

反復練習のすすめ

「自信はすべての能力に勝る」 人生がうまくいかない時に読んでほしい、自信を育てる3つのコツ 

正月にこの記事を読んで、英作文の反復練習を始めました。
Evernoteに、ネイティブが書いた英文を書き写しています。

10000万時間の法則で提唱されているように、どんな道でも一流になるには、繰り返しの訓練が必要になります。

今年は、英語を書くことを習慣にしたいですね。

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2016年1月3日日曜日

仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する


翻訳の期限に比較的余裕がある案件をときどき依頼されることがあります。こうした場合、比較的に早めに作業を終わらせたいので、できるだけ早めに取り掛かります。しかし、ある程度完成が見えてきたあとで、非常に厳密なチェックに取り組んでしまい、結果的に提出は、期限ギリギリとなる場合があります。

これは、まさしく、パーキンソンの法則の第1法則

『仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する』

に該当します。

つまり、チェック時に、他の文献をいろいろ調べたり、もっといい言い回しがないか検討したりして、ひたすら完成度を高めてしまいます。

こうした作業は、自己研磨のために必要ですが、ある程度のところで見切りをつける必要があります。

このパーキンソンの法則の第1法則の対処法としては、
やるべきことのリストをつけて、優先順位の高いものだけにフォーカスする
ことがありますが、

いざ、翻訳業務になるとなかなかこれが難しい。

私は、企業の知財部を経験しているので、特許出願や特許権における優先順位は比較的理解できていますが、
特許翻訳の出来不出来の評価は、その優先順位と違うように思うからです。

今年は、この問題をクリアにして、効率的に作業を進めていきたいですね。

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