2014年12月1日月曜日

[映画批評]オオカミは嘘をつく

江頭2:50のピーピーピーするぞ!のエィガ一刀両断のコーナーで紹介されていた、映画「オオカミは嘘をつく」を鑑賞してきました。
 本作品は、クエンティン・タランティーノが「本年度ナンバーワンだ」と絶賛したことで注目を浴びた、イスラエル発のサスペンス映画です。

 江頭さんの映画批評は、映画会社からのバイアスは一切かかっていないだろうと思われるほど、時に非常に辛口で、信ぴょう性があり、また、彼のストーリーテラーとしての能力は秀逸で、実際映画を観ているように引き込まれるので、楽しみにしています。

 その中で、本作品は、ストーリーが非常に面白そうだと思ったので、実際に観に行ってきました。あらすじは以下のとおりです。
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イスラエルのとある森で、少女がむごたらしく暴行された果てに殺される事件が起きる。その容疑者として浮かび上がったのは、中学校で宗教学を教えているドロール(ロテム・ケイナン)。刑事のミッキ(リオル・アシュケナージ)が責任者として彼の尋問にあたるものの、証拠がなく釈放されてしまう。さらに行き過ぎた取り調べが何者かによって録画され、動画サイトにアップされてしまったことでミッキは交通課に異動になってしまう。しかし、ミッキはドロールが犯人だと思っていて……。
シネマトゥデイ
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主要な登場人物は、中学校の先生である容疑者と、刑事と、被害者の父親です。この容疑者は、真面目で、気の弱そうな男として描かれ、お年寄りにも優しく、娘を持つ父親でもあります。
 この容疑者に対して、確かな証拠がないにもかかわらず、刑事と、被害者の父親は、罪を吐かせようと残忍な拷問を繰り返します。観ている人からすると、被害者の父親の方が悪者のような気がしてきます。

本作品のタイトル「オオカミは嘘をつく」が暗示するように、これらの登場人物のうち、誰が嘘を付いているのかということを推測しながら、鑑賞することになります。

ちなみに、江頭さんの映画批評では、「誰が嘘を付いているか」に対する映画のオチが若干がっかりする展開だったため、『「本年度ナンバーワンだ」と絶賛したタランティーノが嘘を付いている。彼は映画配給会社からお金をもらっているはずだ」というオチを付け、若干低めの評価(エィガポイント:7.5)をしていました。

 以上のように、江頭さんとタランティーノの評価が対立するため、どちらが正しいかを確かめるためにも観に行きました。

 前置きが長くなりましたが、本映画は、残酷で痛々しいシーンの連続でしたが、そのストーリーと、俳優陣の演技力は素晴らしく、非常に面白かったと思います(8.5ポイントくらい)。特に、いずれの登場人物も、完全に良い人、悪い人という形で描くのではなく、一見悪そうに見える人(被害者の父親)の人間味や可愛げな部分(携帯電話の着信音が可愛い)も同時に描き、またその逆もあって、人間の深みを表現している点はとても面白いと感じました。




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