2016年12月4日日曜日

[おすすめ]税金について学べる本



今年もあとわずか1ヶ月となりましたね。フリーランスは、年が明けたら、確定申告の準備を進めなければいけません。今年は、クラウド会計ソフトfreeeを使用して、随時会計処理を行ってきたので、昨年よりは苦労なく、確定申告ができるだろうと思っています。




それと並行して、税金の知識を学んでいます。以下に、とても分かりやすい税金の本を紹介しておきます。
  • 「超」納税法 (新潮文庫) 野口悠紀雄
野口悠紀雄さんがベストセラー作家になったあと、印税収入が増大し納税について税務署との見解の相違が生じた様子が書かれています。この本は、サラリーマンの自立を促しており、フリーランスの方だけでなく、「サラリーマン法人」と目指す方にもおすすめです。




  • 「超」税金学 野口悠紀雄


  • フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。
複雑で多岐にわたる税制について、フリーランスの方が知っておきべき重要な部分を解説してくれる良書。





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2016年11月19日土曜日

[書評] How to Teach Quantum Physics to Your Dog


本書は、物理学の教授であるチャドが犬に量子物理学を教える本。好奇心が掻き立てられる内容で、翻訳書と合わせて読むと、とても勉強になりますね。

日本でも入門書として「犬でもわかる」「猿でもわかる」シリーズはよくありますが、難しい内容をわかりやすく伝えていることを意図し、読者の心理的障壁を取り除いているだけだと思います(あまりこうした本は読んだことないので正確には分かりませんが)。でも、本書では、実際に(英語が理解できる)犬と対話しながら、簡潔な英語でわかりやすく量子物理学を説明していく(当然、犬が理解できるわけはありませんが)。

元Google日本法人社長の村上憲朗さんは、教養として「量子力学」を学ぶことをライフワークにしているそうです。量子力学は、従来の常識とはかけ離れた世界で、究極的には哲学的問題に突き当たる。量子力学には、「一生を棒にふってもいいと思える」ほどの面白さがあるそうです。

ところで、"How to Teach Quantum Physics to Your Dog"という英語タイトル、「犬でもわかる~」とせずに、あくまでも「~犬への教え方」としているのは、訴訟社会アメリカならではなのでしょうか?電子レンジで猫をチンした事件で敗訴したメーカーが、多額の賠償金を支払った後、取扱説明書に「動物等を乾かす目的で使用しないでください」とあるのは有名な話ですが・・・。

  • 目次 

はじめに 犬に物理の話をするのはなぜ? 量子物理学のすすめ
1章 どっちへ行く? 両方へ行く 波動と粒子の二重性
2章 骨はどこ? ハイゼンベルクの不確定性原理
3章 シュレーディンガーの犬 コペンハーゲン解釈
4章 たくさんの世界、たくさんのおやつ 多世界解釈
5章 まだ着かないの? 量子ゼノン効果
6章 穴掘り無用 量子トンネル効果
7章 気味の悪い遠吠え 量子もつれ
8章 ウサギを転送してくれたまえ! 量子テレポーテーション
9章 チーズでできたウサギ 仮想粒子と量子電磁力学
10章 悪のリスにご用心 量子物理学の乱用
  •  How to Teach Quantum Physics to Your Dog




  • 犬でもわかる現代物理



  • 量子力学が語る世界像(村上憲朗さんがおすすめしていた入門書)



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2016年11月13日日曜日

[講演] 難民問題について考える

本日、JAR(Japan Association for Refugees:難民支援協会)が主催する「ちきりんと考えよう 日本が毎年1万人の難民を受け入れるには?」というセミナーに参加しました。

あまり馴染みのない問題でしたが、今後10年のうちに、日本が本格的に取り組まなければならない課題であることを認識しました。

2015年における先進国の難民受け入れ状況は、ドイツ約13.8万人、アメリカ約2.3万人、フランス約2.1万人に対して、日本はたったの27人、その認定率は、わずか0.6%しかありません。申請には多大な労力を必要とし、難民申請用の書類はダンボール1箱分ほどの量にのぼり、しかも日本語に翻訳して法務局に提出する必要があるそうです。

難民の受け入れについては、犯罪の増加や治安の悪化、住民との共存などにおいて不安な側面もありますが、上述した先進国との比較においても、今後は目を背けていられない問題と実感しました。

以前、発展途上国を旅していたころ、自分はたまたま日本に生まれただけで、裕福に旅ができることに感謝する一方でひょっとしたら自分も貧しい国に生まれ、同じように物乞いをしていたかもしれないな、と想像したことが幾度もありました。人は生まれる場所を選べないのです。難民の人たちも好き好んでそのような状況に陥ったわけではないのです。

このセミナーでは、「資金、仕事、コミュニティ」の3つの観点から、1万人を受け入れる環境をどのように整えていけばよいのかについて議論しました。さすがに150人も集まると、斬新なアイディアが出てきますね。それから、ちきりんさん、JARの広報の方のファシリテーションは素晴らしかった~。

詳しくは、ちきりんさんのブログへ。

少子高齢化社会が進む中、移民問題も含め、外国人労働者を受け入れる環境を整備していくことが今後ますます重要になってます。

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2016年11月8日火曜日

[書評] 感動する科学体験100~世界の不思議を楽しもう~

本書は、英国New Science社が科学関係者から人生で一度はやってみたい科学体験を100個集めた翻訳本。原書は"100 Things to Do Before You Die"というタイトルでベストセラーになり、New Science社から翻訳権を得た翻訳者が、日本向けにアレンジして出版したそうです。

『さんま・玉緒のお年玉!あんたの夢をかなえたろかSP』というテレビ番組で、普通の人たちが秘かに抱いている、具体的でユニークな夢を知るのも楽しいですが、本書にでてくる科学者たちの夢もとても興味をそそられました。その中で、自分もやってみたいと思ったものをピックアップしておきます。


  • ロケットの打ち上げを見る(種子島宇宙センター、内之浦宇宙空間観測所)

  • 『客家円楼(中国広州)』を訪問する

  • 土星の輪を見る

  • 水中ホタルの湾で泳ぐ(プエルトリコ、ヴィエケス島)
  • 世界最大の魚(ジンベエザメ)と泳ぐ

  • 粒子検知システムを訪問する(スイス、ジュネーブのCERN研究所
  • 祖先を訪れる(人類のはじまった場所タンザニア オルドヴァイ渓谷)

  • 古代美術に感動する(フランス、マス・ダジールの洞窟)

  • ホタルの木を見に行く(インドネシアのスマトラ島、パプアニューギニアの島々)



感動する科学体験100 ~世界の不思議を楽しもう~ (知りたい!サイエンス)


100 Things to Do Before You Die (Plus a Few to Do Afterwards)



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2016年10月17日月曜日

2016年に観てよかった映画

今年も、シンゴジラ、君の名は。など話題作を含め、様々なジャンルの映画を見ました。その中から厳選した素晴らしかった映画を紹介します。

■オマールの壁
今年観てよかったナンバーワンの、パレスチナを舞台にした映画。

[あらすじ] ひたむきに仕事をこなすパン職人でありながら、仲間たちと一緒に反イスラエルの闘士として活動するパレスチナ人青年オマール(アダム・バクリ)。彼は監視塔から撃ち込まれる銃弾を回避しつつ分離壁を乗り越え、恋人ナディア(リーム・リューバニ)のもとに通う日々を送っていた。そんな中、彼はイスラエル兵士を殺害したとして拘束されてしまう。イスラエル軍から壮絶な拷問を受けたオマールは、解放を条件にスパイになるように迫られる。幼なじみでもある仲間との絆を壊され、ナディアとの仲も引き裂かれたオマールは……。(シネマトゥデイ)
ストーリーも演技も素晴らしかった。当初は分離壁を力強く登りきっていたオマールが、捜査官の巧みな策略により、仲間たちを信じられなくなり、分離壁を登れなくなっていく様子が印象的でした。


■人間の値打ち
イタリア・アカデミー賞で7冠に輝いたイタリア映画。イタリアのミラノ郊外にあるコモを舞台にしたということで、映画の中で懐かしい風景を見たいと思い、見に行きました。登場人物たちのそれぞれの視点から、4つの章で組み立てられたストーリー展開は傑作でした。ジグソーパズルが出来上がっていくようなサスペンス映画です。

[あらすじ] ひき逃げ事件をめぐって交錯する2組の家族の運命をミステリー仕立てで描いた人間ドラマ。不動産業を営むディーノは、娘セレーナの恋人の父親である投資家ジョバンニと知り合い、自分も儲けを得ようと借金をしてジョバンニのファンドに投資する。そんな中、ジョバンニの家の近くでひき逃げ事件が発生し……。物語の顛末をディーノ、ジョバンニの妻カルラ、セレーナそれぞれの視点から描くことで、登場人物たちが抱える問題を徐々にあぶり出していく。(映画ドットコムより引用)
原作はHuman Capital by Stephen Amidon


■AMY エイミー
ロングラン上映されていたので、ついに観てきました。
2003年にデビューアルバムをリリースしたエイミー・ワインハウスは、他を圧倒する歌唱力と歌声で一躍トップスターの仲間入りをする。第50回グラミー賞では年間最優秀レコードをはじめ5部門で受賞するなど大成功を収めるが、2011年に27歳の若さでこの世を去る。華々しいキャリアの一方、スキャンダラスな私生活にもフォーカスされる機会の多かった彼女の知られざる真実を、これまでに公開されたことのない映像などで振り返る。

 最初から最後までまばたきを忘れてしまうほど映画に没入してしまいました。ドキュメンタリー映画ですが、脚本があるようなサクセスストーリーとその後の死に至る破滅の展開に圧倒されました。音楽が素晴らしいので、音響のよい環境で見るのをおすすめします。


・AMY エイミー(オリジナル・サウンドトラック)2016


■愛と青春の旅立ち
1982年の古い映画。アマゾンプライムで観ましたが、名作はさすがに面白いですね。
青年ザックが海軍士官学校に入学したのは、自らの暗い過去と決別して新しい人生を手にするためだった。そして過酷な訓練に苦しむ彼の前に、町工場で働く娘ポーラが現れる…。親友の死、挫折を乗り越えて生きる目的を掴む青年を、爽やかな恋と共に描いて大ヒットを記録した“青春映画不滅のバイブル”。
リチャード・ギア主演映画は、「プリティ・ウーマン」や「オータム・イン・ニューヨーク」など、ダンディーな大人の男性の役柄のものしか観たことがなかったので、軍人の役を熱演する若かりし頃の演技がとても新鮮でした。

・アマゾンプライム会員の方は以下より無料で鑑賞できます。


■番外:レジェンド 狂気の美学
別の映画を観るつもりでしたが、満席だったため、予備知識のないまま、この映画を鑑賞しました。
[あらすじ] 1960年代初頭のロンドン。双子のギャング、レジー・クレイとロン・クレイは暴力で街を支配し、有力者やセレブリティーとも親しく、権力をほしいままにしていた。やがてレジーはフランシス(エミリー・ブラウニング)と結婚し、ナイトクラブの経営に重点を置くようになる。しかし、組織内の争いやロニーの破滅的な行動により彼らの栄華に陰りが見え始める。(シネマトゥデイ) 
スピード感のある展開にも驚きましたが、観終わったあとに、双子のギャングの役をトム・ハーディが一人二役で演じ分けていたことを知り、驚きました。雰囲気もまったく違って、お互い言い争ったり、殴り合いの喧嘩をしていたので、別人かと思い観てきました。

・レジェンド 狂気の美学 コレクターズ・エディション [DVD]






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2016年10月15日土曜日

デジャブ


 はじめてこのジャズバーを訪れたとき、以前来たことがあるような不思議な感覚、いわゆるデジャブ(既視感:実際は一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したことのように感じること)が起こりました。

皆さん、分かりますか?

ヒントは、この時期、毎年話題にのぼる作家の、ある小説。

 そう、村上春樹さんの「ノルウェイの森」という小説の中で登場するジャズバーは、この新宿にあるDUGという店をモチーフにしたそうです。

 この作品は、高校生のころはじめて読み、それから何回か読み返していたので、記憶の片隅に残っていたんだと思います。また、小説を読んだあと、だいぶ経って記憶がなくなったあと、映画化された作品を見ました。そのとき、忘れてしまった内容と、記憶している内容があるのに気づき、面白く感じました。何を忘れ、何を記憶するかは、おそらく当時自分が重要だと思ったことと、そうでないことを基準にしているように思うからです。

 彼の作品は、40カ国以上の言語に翻訳され、世界中に多くのファンを獲得しているので、近年、急増する訪日外国人旅行者の中には、この店を訪れて私と同じように感じている方もいるかもしれません。

 ところで、特許翻訳をしていると、次から次に新しい技術分野(コンピュータセキュリティから付け睫毛取付具まで)の発明に突き当たり、その都度、関連する書籍を読み、背景技術を勉強しますが、終わったら、すぐに忘れてしまいます。特に書面だけで発明を理解するのは大変な場合もあります。あまり馴染みがない「付け睫毛取付具」を翻訳していたときは、実際にお店に行き、関連する商品を探しましたが、結局、同じような商品は見つかりませんでした。特許発明は、新規性、すなわち、従来公開されていた技術とは異なるものである必要があるため、実際に商品化されるのは、出願されてから数年後という場合もあります。発明の内容をしっかり理解することを努めていれば、いつか製品化された商品を目にしたときに、デジャブが起きるかもしれません。


■Norwegian Wood (Vintage International) Kindle版

■ノルウェイの森 【スペシャル・エディション2枚組】 [DVD]

■ノルウェイの森 上






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2016年10月11日火曜日

[講演]柴田元幸先生、翻訳を語る

先日、柴田元幸先生の講演に参加しました。

柴田元幸先生は、東京大学文学部の名誉教授であり、翻訳業界ではとても有名な方で、文芸翻訳になじみのない私でも、村上春樹さんとの共著「翻訳夜話」などで名前は存じておりました。

目からウロコが落ちる、面白い内容だったので、ここでシェアします。




  • 翻訳はあくまで副業で、好きなものしか翻訳しない
  • 主に電子辞書(特に信頼度の高いリーダーズ、ランダムハウス)を用いて、ノートに手書きで翻訳をしている
  • Googleで表現をチェックしている
  • 変な日本語が入ってこないように、テレビは持っていない
  • 翻訳者は、読者の代表であり、作者の代弁者ではない
  • 翻訳していて「分からない箇所」に突き当たったら、とりあえず訳して先に進む。後から内容の理解が進むと、「分からない箇所」も明確になるから
  • 小説の翻訳では、「意味」よりも「快楽」を伝えることが重要
  • 例えば、ダジャレは、笑いが等価になるように訳せばよい
  • 小説の中での人称代名詞(私、僕、俺など)の決め方は、登場人物の関係性で決めることが多い
  • 小説の翻訳では、一文の翻訳で正しく伝わらなくても、文章全体で内容が伝わればよい
  • 英語では一文が長い場合、複数の文に分けて翻訳してもよい
  • 賞味期限の短い流行のコトバは使わない
  • 昔の英文小説では、「過去形」を使用したものが多かったが、現在は、「現在形」を使用することが多いのは、「先の見えない状況」を表すため



このような翻訳の講演会に参加するのは初めてでしたが、とても刺激を受けました。翻訳道も、非常に奥が深く、極めるのは長く険しい道のりだと感じました。

■翻訳教室 柴田元幸








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