2017年5月2日火曜日

[書評] 話すだけで書ける究極の文章法 人工知能が助けてくれる! 野口悠紀雄


本書は、精度が格段に向上したスマホの音声認識機能を使って、著者がはじめて書き上げた書籍です。なんと10倍の速さで書けるようになったそうです。


 具体的に以下のような文章作成方法が紹介されています。
①メモ入力
スマホ(iphoneまたはAndroid)のGoogleドキュメントアプリで音声認識機能を利用して行っている。
この作業は、スマホを利用することで、散歩しながらでも行える。

②予備的編集
論理展開を整理するため、iphoneやipadを使って行っている。

③本格的編集
パソコンのテキストエディタ(wordではなく、文章作成に特化したPC用ソフト)を使ってキーボードで行っている。


④紙にプリントアウトして編集
最終的には、紙にプリントアウトした原稿に赤字を入れ、それを見ながら、パソコンで修正し、原稿を完成させる。
~~~~~~~~~~~~~~~~

スマホを用いた音声入力による検索法も紹介しています。
例えば、「○○駅(最寄駅) ○○線 時刻表」と音声入力すると、簡単に時刻表を見つけることができたり、
「○○(目的地)に行きたい」と音声入力すれば、簡単に地図アプリを立ち上がり、ナビのように利用することができます。

その他、「平成何年は西暦何年」「平均株価」などを検索する例として挙げられています。

こうした検索は、歩きながらでもできて非常に便利です。
  • 感想

私自身、スマホの文字入力が苦手で、できるだけパソコンのキーボードを使っていたので、スマホの音声認識機能をもっと活用してみたくなりました。ただし、翻訳の際に利用するとなると、翻訳する際に同時に行う情報検索や、その後の編集作業を考えると、さすがにハードルが高いなと思います。

しかし、今のように音声認識機能の精度が向上していない5年ほど前にも、翻訳者の方で、腱鞘炎のために音声認識機能を使って翻訳作業を行っているという話を聞いたことがありました。将来的にはより多くの人がこうした機能を利用して翻訳するようになるかもしれません。特に、「座り続ける」作業は、健康に多大な悪影響を及ぼすので、スマホ片手に散歩しながら、翻訳の仕事をする光景が普及するかもしれません。



  • 話すだけで書ける究極の文章法 人工知能が助けてくれる!

目次
序章 音声入力は、知的作業に革命をもたらす
音声入力によって、文章を書くのが楽になった
仕事の仕組みを再構築する必要
人工知能技術の成果

第1章 いつでもどこでもメモを取れる
いつでもどこでもメモを取れる外部脳の出現
メモシステムの構築が必要
メモにはさまざまなものがある
音声入力でメールを書く

第2章 アイディア製造工場の稼働法
アイディアを生むには、それを求めなければならない
アイディアを出すには、問題に集中することが必要
刺激によってアイディアが生まれる
アイディア生産における音声入力の意味

第3章 「見える化」で頭を鍛える
音声入力で頭の中を「見える化」できる
伝える力は「構造」によって決まる
口頭のプレゼンテーションは、いつも求められている
音声入力でプレゼンテーション能力を鍛える

第4章 音声入力で本格的な文章を書く
雑誌掲載用原稿ができるまで
文章を楽に書けるようになった
テーマをどのようにして見つけるか
「編集」とは、構成を正しくすること
文章を書く生活
音声入力はどんな世界を作るか

第5章 いつでもどこでもすぐに検索
「いつでもどこでも検索できる」ことの意味
検索の容易化に合わせて仕事のスタイルを変化させる
検索のテクニック
キーワード検索からセマンティック検索へ

第6章 音声入力でのスケジューリング
スケジュールを閲覧する端末から、入力する端末へ
メモをスケジュールに紐付ける
紙の手帳は依然重要

第7章 人工知能はいかなる世界を作るか?
音声入力は人工知能技術の成果
人工知能は敵か味方か
将来の教育をどうする?

補論1 音声入力機能の使い方

補論2 「超」整理手帳アプリについて





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