理由はさまざまだと思いますが、長いキャリアをもつ方は、単価の高い英訳だけをやっている方が多いように思います。
私は、収益性よりも成長を優先しているため、できるだけ英訳と和訳を交互にバランスよくやるように心がけています。こうすることで、翻訳業務において、車の両輪のように加速的に成長できるように思います。日本の技術が先行している技術分野と、外国(主に米国)が先行している技術分野とでは異なるため、より幅広い様々な技術分野の知識を学べるという利点もあります。さらに、将来的に特許明細書を書く側の仕事に戻る可能性も捨てきれません。
ところで、最近のAI(人工知能)の発展は目覚ましいものがあり、予想より早く、翻訳業もなくなってしまうかもしれないなと思うことがあります(私はこの仕事が非常に好きなので、できれば長く続けたいと思っていますが)。翻訳者の中には、それでも、特許翻訳は残っていくと考えている方も多いですが、人工知能に関する書籍や動画を観ていると、例えば、人工知能で翻訳されたものをチェックするだけといった、かなり限定的な形でしかないかもしれないと思います。そうなると、今まで(翻訳もできる)弁理士や特許技術者が他の業務で忙しくてできなかったので、代わりに特許翻訳者が翻訳していた仕事(経済学でいう「比較優位」により発生していた仕事)は、弁理士や特許技術者が行っているかもしれません。
あるいは、ますますグローバル化が進展すると、日本企業の中にも、社内公用語として英語を採用し、日本語で出願することなく、最初から英語で出願していく可能性もあります。
最近は、忙しさに追われて、将来のことを考える余裕がありませんが、
「強い者、頭の良い者が生き残るのではない。変化するものが生き残るのだ」といったダーウィンの言葉は、頭の片隅に置いておきたいですね。
よろしければ、ポッチッとお願いします。
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